日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ワシントン(Henry Stephens Washington)
わしんとん
Henry Stephens Washington
(1867―1934)
アメリカの地球化学者。ニューアークに生まれる。エール大学に学び、世界各地の遺跡発掘に従事したが、のちにドイツに渡りライプツィヒ大学のツィルケルFerdinand Zirkel(1838―1912)の下で岩石学を学び、学位を受けた。1912年以来、カーネギー研究機構の地球物理学実験所で火成岩の化学組成の研究に従事した。著書『岩石の化学分析』(1904)は世界中で教科書として使われた。また、1902年クロスCharles Whitman Cross(1854―1949)、イディングスJosef Paxon Iddings(1857―1920)およびピアソンと共同で、火成岩の定量的分類法であり、4人の頭文字をとったCIPWノルム体系を提唱した。1917年には、当時知られていた火成岩の化学分析値数千を集大成し、ノルム体系に基づいて分類配列した大著『火成岩の化学組成』を発表した。
[橋本光男]
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