旺文社世界史事典 三訂版 「ワット=タイラーの乱」の解説
ワット=タイラーの乱
ワット=タイラーのらん
Wat Tyler
圧迫を強化した大封建領主に不満をもった農民は,人頭税の徴収を契機として反乱を起こした。反乱はエセックスからケントに広がり,さらに全国的に波及して,各地で略奪や虐殺が行われた。一揆の指導者ワット=タイラーは,ジョン=ボールとともにロンドンを占領し,リチャード2世に会見して農奴制の廃止,取引の自由,一揆参加者の不処罰などをいったんは認めさせた。しかし,その直後,奸計にあってタイラーが殺害され,一揆は総崩れとなって鎮圧された。この乱により,衰退期のイギリスの農奴制支配は大きな衝撃を受け,農奴解放が促進された。
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