ヴィルニュスの歴史地区(読み)ヴィルニュスのれきしちく

世界遺産詳解 「ヴィルニュスの歴史地区」の解説

ヴィルニュスのれきしちく【ヴィルニュスの歴史地区】

1994年に登録された世界遺産(文化遺産)で、バルト三国の一つ、リトアニアの首都ヴィルニュスにある旧市街。ヴィルニュスは、13世紀にリトアニア大公国が誕生してから18世紀まで、東西交易の中継地として栄えた。18世紀以降は、ポーランドの分割によりロシアに吸収され、第二次世界大戦で甚大な被害をこうむったが、中世面影を漂わせる建築物が多数残っている。旧市街「ヴィルニュスの歴史地区」は359haと東ヨーロッパ一広く、1500もの建築物がある。代表的なものは、カテドゥロス広場に建つ、リトアニア最古のヴィルニュス大聖堂(18世紀再建)、城の一部のゲディミナス塔ゴシック様式の聖アンナ聖堂、漆喰彫刻で有名なバロック様式の聖ペテロ・パウロ聖堂のほか、聖ヨハネ聖堂、聖カシミーロ聖堂などが挙げられる。イエズス会により1579年に創設されたヴィルニュス大学は、東ヨーロッパで最も歴史の古い大学の一つである。このように、さまざまな時代やスタイルが融合した建築物群と町並みの魅力が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はVilnius Historic Centre

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android