一朱・一銖(読み)いっしゅ

精選版 日本国語大辞典 「一朱・一銖」の意味・読み・例文・類語

いっ‐しゅ【一朱・一銖】

〘名〙
① (重さの単位)⇒しゅ(銖)
近世貨幣の単位で、一両の十六分の一、一分の四分の一。また、転じて、わずかの金。びた一文。→銖(しゅ)②。
※雑俳・柳多留‐九四(1827)「どうしたか花にいせ屋は一朱切り」
③ 一朱金または一朱銀のこと。
※雑俳・柳多留‐九〇(1826)「世は豊か宝の数も一朱ふえ」
④ (近世末、大坂花柳界で、色事の話の聞き賃を②としたところから) 愛人。恋人。
随筆・皇都午睡(1850)初「天保年間、江南の妓家にて我思ふ恋路の話を云時は、聴賃受賃を取る。金一銖の定にて、是のたまりし時、芝居行或は食悦などにす。是を市中へ移って男女の色を一銖一銖と異名せり」
売春婦呼称の一つ。近世末から明治初めにかけて、京都で一晩遊興費が、一分一朱の売春婦。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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