精選版 日本国語大辞典 「一遍・一反」の意味・読み・例文・類語
いっ‐ぺん【一遍・一反】
〘名〙
① 行為や事態の回数としての一度。一回。
※延喜式(927)三九「種子一斗五升、惣単功十四人半。耕地一遍」
② 物事の始めから終わりまで。ひとわたり。一部始終。
※聖徳太子伝暦(917頃か)敏達天皇七年「太子焼レ香披見。日別一二巻。至レ冬一遍了」 〔魏志注‐賈達伝〕
③ 空間的なある範囲の一方の端から他の端までの全体。そこらじゅう。ずっとひとわたり。一円。
※信長公記(1598)首「去て美濃国一篇に仰付けられ」
④ 抵抗力がはたらく間もなく、たちまち事態が成り立つさま。すぐさま。いちどき。同時。→一遍に。
※若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上「思ひがけない下卑た言葉が吐き出されたので一ぺんでいやになった」
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