日本大百科全書(ニッポニカ) 「三井不動産(株)」の意味・わかりやすい解説
三井不動産(株)
みついふどうさん
売上高業界第1位の大手不動産会社。1941年(昭和16)、その前年に三井物産に合併されていた旧三井合名の不動産課を分離継承して設立。財閥解体を経て、1956年(昭和31)には清算中であった三井本社を合併した。当初は三井家ゆかりの不動産の所有・管理運営を主たる業務としていたが、1955年に江戸英雄(ひでお)(1903―97)が社長に就任して以来、積極経営を展開。浚渫(しゅんせつ)埋立て事業や宅地造成事業に進出するとともに、霞が関(かすみがせき)ビル(1968竣工)を建設して超高層ビル時代幕開けの先鞭(せんべん)をつけた。石油ショック以降、従来の開発主導型にかわって住宅中心型の事業展開を図っている。資本金約1743億円(2008)、売上高4606億円(2008)。
[橘川武郎]
『財団法人日本経営史研究所編『三井不動産四十年史』(1985・三井不動産株式会社)』