三十六計、逃げるに如かず(読み)さんじゅうろっけい、にげるにしかず

故事成語を知る辞典 の解説

三十六計、逃げるに如かず

いろいろな作戦がある中で、逃げるのがいちばんいい、ということ。

[使用例] その男は、個人的な関係から大事が壊れるといけない、三十六計逃げるにしかずと、怱々そうそうに引越してしまった[宮本百合子*聟|1934]

[由来] 「南史おうけいそく伝」の逸話から。五世紀の終わり、なんせい王朝の時代の中国でのこと。皇帝病気に乗じて、王敬則という武将反乱を起こしました。このとき、皇帝の子どもが逃げだそうとしていると聞いて、王敬則は「三十六策、ぐるはれ上計なり(三六もの戦法の中で、逃げるのがあいつにとってはいちばんいい作戦だろうな)」と豪語したとのことです。この後、王敬則は勢威を奮いましたが、たった数日で敗れ去っています。

〔異形〕三十六計、逃げるが勝ち。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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