三津(読み)さんしん

精選版 日本国語大辞典 「三津」の意味・読み・例文・類語

さん‐しん【三津】

(三つの港の意)
[一] 昔、薩摩国鹿児島県坊津筑前国福岡県博多津伊勢国三重県阿濃津の内外航路三大要津の称。
[二] 摂津国の敷津・高津難波津の三つの港。摂津三津。

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デジタル大辞泉 「三津」の意味・読み・例文・類語

さん‐しん【三津】

三箇さんが」に同じ。

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改訂新版 世界大百科事典 「三津」の意味・わかりやすい解説

三津 (みつ)

伊予国(愛媛県)和気郡伊予灘に臨む松山城下町の外港。1603年(慶長8)加藤嘉明の時代に初めて船場を設け,船奉行を置いた。35年(寛永12)松平定行の松山入封時に,藩船と船手400戸を船奉行に,町方を町奉行に管轄させた。1773年(安永2)町奉行を廃して,船奉行が町方を支配することになった。1663年(寛文3)三津肴問屋が置かれ,95年(元禄8)石積み防波堤造成された。このころの生魚問屋株は18で,近世初期から瀬戸内有数の魚市が発達していた。1833年(天保4)諸問屋御定書が制定され,問屋の業務は詰会所で行われることになった。44年(弘化1)には防波堤が拡張され,港はいっそう完備して繁栄した。55年(安政2)外港としての重要性から砲台が築造された。松山城下の三津口(みつぐち)から三津町の間は三津道が整備されていた。1906年,三津港の北に高浜港が開港され,両港の間には競合関係が発生してくる。40年松山市に合体
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「三津」の意味・わかりやすい解説

三津
みと

静岡県東部,沼津市の駿河湾奥の東縁にある,旧内浦村の中心集落。古くから漁業と富士山の眺望で有名。観光化が進み,淡島の海洋公園とはロープウェーで結ばれている。特に海の動物たちのショーで人気のある「伊豆三津シーパラダイス」 (旧三津天然水族館) などは,各地から観光客が訪れる。また,背後の山地にはミカン園の造成が著しく,西浦みかんの主産地。夏のシーズンには,舟釣り,磯釣り,海水浴などの客でにぎわう。民宿も多い。富士箱根伊豆国立公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「三津」の解説

三津

三箇津(さんがのつ)ともよばれる。中世から近世初頭にかけての国内・海外交通や貿易の要港。明の「武備志」に記載される。このうち博多津は以降も貿易港として繁栄を続けたが、阿濃津・坊津は近世以降その重要性が失われた。
[観光資源] 阿濃津 | 博多津 | 坊津

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旺文社日本史事典 三訂版 「三津」の解説

三津
さんしん

中世,坊津 (ぼうのつ) (薩摩)・那津 (なのつ) (筑前博多)・安濃津 (あのつ) (伊勢津)の3港の総称
古代より栄えた要港で,特に中世対明貿易港として栄え,中国人より三津と称された。安濃津の代わりに堺津(和泉)を数えることもある。

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百科事典マイペディア 「三津」の意味・わかりやすい解説

三津【さんしん】

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