三浦安(読み)みうら・やすし

朝日日本歴史人物事典 「三浦安」の解説

三浦安

没年:明治43.12.11(1910)
生年:文政12.8.18(1829.9.15)
幕末の紀州(和歌山)藩士,明治の官僚通称休太郎。紀州藩の支藩伊予西条藩(愛媛県)藩士小川武貴の子に生まれ,徳川慶福(家茂)の将軍継嗣擁立にかかわり,紀州藩に籍を移されて藩要路に上る。慶応3(1867)年4月,藩船明光丸が海援隊操縦のいろは丸を沈没させる事件が発生,折衝して賠償金を支払う。同年11月坂本竜馬暗殺があり,その犯人とみなされ,陸奥宗光ら海援隊士に襲われて負傷。明治3(1870)年藩政に復帰,のち新政府に出仕元老院議官,貴族院議員,東京府知事,宮中顧問官歴任した。

(井上勲)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三浦安」の解説

三浦安 みうら-やすし

1829-1910 幕末-明治時代の武士,官僚。
文政12年8月18日生まれ。伊予(いよ)(愛媛県)西条藩士。本藩紀伊(きい)和歌山藩籍にうつり,外交役をつとめる。慶応3年坂本竜馬のいろは丸沈没事件を処理。このため竜馬暗殺への関与をうたがわれ,海援隊士におそわれて負傷した。維新後は東京府知事,宮中顧問官を歴任。貴族院議員。明治43年12月11日死去。82歳。本姓は小川。通称は休太郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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