三田(市)(読み)さんだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三田(市)」の意味・わかりやすい解説

三田(市)
さんだ

兵庫県南東部にある市。三田盆地のほぼ中央を武庫(むこ)川が貫流し、東部と北部山地、南西部はなだらかな丘陵地である。1958年(昭和33)市制施行。JR福知山線、神戸電鉄三田線および公園都市線、国道176号が通じ、神戸市との境に接して中国自動車道神戸三田インターチェンジ、舞鶴若狭自動車道(まいづるわかさじどうしゃどう)三田西インターチェンジがある。中心三田は、中世までは金心寺(こんしんじ)の門前町として開け、1633年(寛永10)以降九鬼(くき)氏三田藩3万6000石の城下町として繁栄する。いまもそのおもかげを濠(ほり)と土塀のある士族屋敷、狭い屈曲した道路にわずかにとどめている。三田地区の東隣には商業町として発展した三輪(みわ)町がある。武庫川の本・支流が形成した肥沃(ひよく)な沖積低地は早くから開け、生産性の高い乾田が多く、県下屈指の穀倉地帯であった。三田米は良質の酒米、すし米となる。三田牛の肉も美味で知られ、丘陵地はマツタケ産地で名高い。福知山線の複線化計画、道路の整備などを背景に、職住共存の北摂ニュータウンや工業団地テクノパークが西部丘陵に建設され、阪神間との結び付きを深めている。1992年(平成4)弥生(やよい)が丘に県立「人と自然の博物館」が開館、1995年には学園に関西学院大学神戸三田キャンパスが開学した。市の北部の有馬富士は展望に優れ、北麓(ほくろく)には花山(かざん)天皇隠棲(いんせい)の地花山院がある。御霊神社の本殿、高売布(たかめふ)神社の本殿と木造狛犬(こまいぬ)は国指定重要文化財。駒宇佐八幡(こまうさはちまん)神社百石(ひゃっこく)踊は県指定無形民俗文化財。面積210.32平方キロメートル、人口10万9238(2020)。

[二木敏篤]

『『三田市史』全12巻(1998~2012・三田市)』


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