上座・上坐(読み)じょうざ

精選版 日本国語大辞典 「上座・上坐」の意味・読み・例文・類語

じょう‐ざ ジャウ‥【上座・上坐】

[1] 〘名〙
① (古くは「しょうざ」) 上位の座席。上席。かみざ。また、その席に着くこと。
※源平盛衰記(14C前)六「小松殿は弟の右大将宗盛より上座し給たりけるが」
日葡辞書(1603‐04)「Xǒza(シャウザ)」 〔史記‐高祖本紀〕
② 仏語。
(イ) 法臈の高い上位の僧、または長老尊称
(ロ) 三綱(さんごう)の一つ。寺の法事などの事務を処理し、衆僧を統括した年長・上席の僧。
※霊異記(810‐824)中「置染臣鯛女は、奈良の京の富の尼寺の上座の尼法邇が女なり」
(ハ) 禅宗で、相手の僧を敬っていう語。代名詞的にも用いる。〔従容録‐二・二〇則〕
(ニ) 曹洞宗僧階の一つ。出家得度後、入衆したものをいう。
③ 仏語。寺院で、食堂(じきどう)に安置してある文珠菩薩、または賓頭盧(びんずる)尊者の像。聖僧(しょうそう)
※山家学生式(818‐819)「凡仏寺上座、置大小二座
[2] (上座) 福岡県の中南部にあった郡。古くは「かみつあさくら」「かみつくら」といった。明治二九年(一八九六朝倉郡に統合されて消滅。
[補注](二)については、「二十巻本和名抄‐五」には「筑前国 〈略〉下座〈下都安佐久良〉上座〈准上〉」とある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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