上擦(読み)うわずる

精選版 日本国語大辞典 「上擦」の意味・読み・例文・類語

うわ‐ず・る うは‥【上擦】

〘自ラ五(四)〙
① うわすべりする。上の方がなめらかですべる。
② 考えや行動が軽薄になる。
※改正増補和英語林集成(1886)「キガ uwazurite(ウワズリテ)
③ 音などがうわついた感じになる。興奮して声の調子が高くなる。
其面影(1906)〈二葉亭四迷〉一九「『ええ、分りました〈略〉』と声が逆上(ウハズ)る」
④ 頭に血がのぼってぽうっとする。興奮状態にいう。
※范の犯罪(1913)〈志賀直哉〉「上(ウハ)ずった興奮と弱々しく鋭くなった神経とを」
⑤ 魚が水面近く浮き出て、群れ泳ぐ。
[補注]近世には「うわずる」の確例がなく、類義の語では「うわもる」「かみずる」が使われている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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