上神主-茂原官衙遺跡(読み)かみこうぬしもばらかんがいせき

国指定史跡ガイド 「上神主-茂原官衙遺跡」の解説

かみこうぬしもばらかんがいせき【上神主-茂原官衙遺跡】


栃木県宇都宮市茂原町と河内郡上三川町上神主の市町境に所在する古代の官衙跡。遺跡田川氾濫原に面した台地の縁辺上、標高80m前後のところに立地している。その西辺と南辺は幅3~4mの溝によって区画され、北辺は不明ながら、東西約250m、南北約390mの広さがある。内部は3つの区域に分けられ、中央に政庁域、南に正倉域、北に関連施設域という構成になっている。遺跡からはへらで人名などの文字を刻んだ瓦が出土し、100人ほどの名前が確認され、8世紀中葉ごろのものと推定される。南東には東山道と推定される道路遺構が確認されており、東山道からの入り口の門の跡らしきものも発掘された。保存状況も良好で、豊富な人名瓦などを含めて古代の地方官衙の具体的なあり方を示し、主要な交通路との関係を考えるうえでも重要であることから、2003年(平成15)に国の史跡に指定された。JR東北本線石橋駅から車で約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android