上詰・登詰(読み)のぼりづめ

精選版 日本国語大辞典 「上詰・登詰」の意味・読み・例文・類語

のぼり‐づめ【上詰・登詰】

〘名〙
① (形動) のぼりつづけること。のぼりきること。また、そのさま。
② (形動) 次第にのぼせて夢中になること。また、そのさま。
評判記・満散利久佐(1656)長津「かこひにも、いやにて候、のぼりづめに太夫にして、をくとみえたり」
芝居舞台装置で、実際に上までのぼることのできるように作った坂や石段など。
※歌舞伎・日本晴伊賀報讐(実録伊賀越)(1880)四幕「本舞台真中に登り詰の石段」

のぼり‐つ・める【上詰・登詰】

〘自マ下一〙 のぼりつ・む 〘自マ下二〙
① のぼれるだけのぼる。頂上、頂点までのぼりきる。
浄瑠璃天神記(1714)三「我年は八十一、のぼりつめたる老の坂」
草枕(1906)〈夏目漱石一一「かくして、余はとうとう、上迄登り詰めた」
② すっかりのぼせ上がってしまう。熱中して有頂天になる。
※俳諧・西鶴大句数(1677)五「浄瑠璃うつす手習のきみ 此恋はのほりつめてやのほらるる」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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