上野(村)(読み)うえの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「上野(村)」の意味・わかりやすい解説

上野(村)
うえの

群馬県南西端、多野郡(たのぐん)にある村。2020年(令和2)の国勢調査では人口密度は6.2人(1平方キロメートル当り)と小さく、過疎傾向が続いている。2000年の国勢調査では人口は増加に転じたが、その後再度減少に転じている。1000メートル級の山に囲まれ、神流川(かんながわ)に沿う十石峠(じっこくとうげ)街道(現、国道299号)が通じる。JR高崎線新町駅から乙母(おとも)、乙父(おっち)などの珍しい地名の集落を経て、上野村ふれあい館までバスが通じる。傾斜地で野菜などを栽培。林業が盛んで、シイタケやナメコ栽培のほか、木工品の生産も行われ、銘木工芸館などもある。生犬穴(おいぬあな)(鍾乳洞(しょうにゅうどう))および上野村亀甲石産地(きっこうせきさんち)は国指定天然記念物。そのほか不二洞(ふじどう)(鍾乳洞)、浜平(はまだいら)温泉、野栗沢(のぐりさわ)温泉、旧黒沢家住宅(国指定重要文化財)もある。神流川上流では2005年に上野ダムが竣工し、揚水発電所が運転を開始している。面積181.85平方キロメートル、人口1128(2020)。

[村木定雄]

『『上野村誌』(1954・吉川弘文館)』『相葉伸他編『みやま文庫4・5 群馬県多野郡上野村の民俗 上下』(1961・みやま文庫)』


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