下島 空谷(読み)シモジマ クウコク

20世紀日本人名事典 「下島 空谷」の解説

下島 空谷
シモジマ クウコク

明治・大正期の医師,俳人,随筆家 陸軍一等軍医



生年
明治3年8月25日(1870年)

没年
昭和22(1947)年5月30日

出生地
長野県伊那郡原村(現・駒ケ根市)

本名
下島 勲

学歴〔年〕
東京慈恵医院医学校卒

経歴
上京後苦学して商業学校、ついで医学校を卒業し軍医となる。日露戦争などに従軍して陸軍一等軍医となり、明治40年軍隊を退く。東京の田端に医院・楽天堂を開業。書画・俳句などを通じて芥川龍之介・室生犀星久保田万太郎・菊池寛・板谷波山・萩原朔太郎ら多くの文士・彫刻家・画家などと親交を深めた。芥川とは特別懇意になり主治医としてその最後を看取った。また郷里の伊那に埋もれていた井上井月を世に紹介し、「井月の句集」「井月全集」を編集した。中野重治らの「驢馬」の題簽(標題)や石川啄木の書籍の題字なども書いた。句集に「薇(ぜんまい)」、著書に「人犬墨」「芥川龍之介の回想」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android