不調法・無調法(読み)ぶちょうほう

精選版 日本国語大辞典 「不調法・無調法」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐ちょうほう ‥テウハフ【不調法・無調法】

〘名〙
① (形動) 行き届かないこと。つたないこと。手ぎわが悪く、下手なこと。また、そのさま。
高野山文書‐弘安六年(1283)六月二八日・開田准后法助書状「若及合戦闘乱候者、彼等不調法事にて、〈略〉争又不痛存候乎」
※俳諧・犬子集(1633)一五「まだ昨日けふおこす道心 つくもただ無調法なる鐘の音〈望一〉」
過失。しくじり。そそう。不始末。
※虎明本狂言・栗焼(室町末‐近世初)「あぢもよひかと仰られう所で、しらぬと云たらは、ふ調法にあらう」
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉五「弾正出で来りて、『誰が、其鶴を損ぜしぞ』と問ひしに、十三郎は〈略〉『玄徳が、不調法致したり』と答へたり」
③ (形動) 酒などをたしなまないことや、芸事や遊び事にうといことをへりくだっていう語。
※虎明本狂言・庖丁聟(室町末‐近世初)「御大ほうはとも御ざれ、ぶてうほうなものでござる」
※仮名草子・智恵鑑(1660)一「何の芸能ありとも見えず。きはめて無調法(ブテウホウ)にて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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