丑(漢字)

普及版 字通 「丑(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 4画

[字音] チュウ(チウ)
[字訓] うし

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
指先に力を入れて曲げ、強くものを執る形。(ゆう)(手)の字形の、爪を立てている形である。〔説文〕十四下に「紐(はじめ)なり。十二物動きて事を用ふ。手の形に象る。時に丑を加ふ。亦た手を擧ぐるの時なり」とするが、いうところが明らかでない。十二支の丑として字義を解するものであるが、十二支に用いるのは仮借義。糸を強くしめることを紐といい、印璽のつまみを鈕(ちゆう)という。また衄(じく)は鼻を強くって鼻血を出すことをいう。みな指に力を加える意がある。金文の叔の字は(しゆく)(戚(まさかり))と丑とに従う。また肘(ちゆう)は肘(ひじ)に力を入れる意で、寸はおそらく丑の省略形であろう。明の徐渭の〔南詞叙録〕に、醜の省文であるという。

[訓義]
1. つめたてる、かたくもつ、むすぶ、とざす。
2. うし、十二支の一。
3. はじめ、やしなう。
4. 演劇道化役、ちゃり役。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕丑 ウシ

[部首]
〔説文〕に・羞の二字を属し、(ちゆう)十四下は「らふなり」、羞は「め獻ずるなり」とあって、ともに肉を薦める意。丑(しゆう)十四下にものを強く把持する意がある。〔玉〕には膰(はん)の初文をこの部に収める。番は(べん)と田に従い、は獣爪、田はその掌(てのひら)の形である。

[声系]
〔説文〕に丑声として羞・衄・狃・紐・鈕など、その派生字を含めて十五字を収める。丑の声義を承けるものが多い。

[語系]
丑thi・爪tzheu、suなど、指爪に関する語と声が近い。また躅diek-diokは足指に力の入る状態をいい、また同系の語である。

[熟語]
丑角丑月丑座丑児丑肉丑満
[下接語]
建丑・丁丑

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android