並・双・列(読み)ならぶ

精選版 日本国語大辞典 「並・双・列」の意味・読み・例文・類語

なら・ぶ【並・双・列】

[1] 〘自バ五(四)〙
① 二つ以上のものが近く接して位置する。列をつくって位置する。
(イ) 空間的に近くにある。つらなる。近接する。
※小川本願経四分律平安初期点(810頃)「和上等と並(ナラビ)て語(もの)いひ、与に並びて経行す」
(ロ) 時間的に近くにある。つづく。前後する。
※賀茂女集(993‐998頃)「過ぎにし年ごろ、ならべる月日の中に求むれど、わがごと悲しきはなしとおもふ人ありけり」
(ハ) いくつかの物事がそろってある。みんな整っている。
源氏(1001‐14頃)絵合「いたう進みぬる人の、命、さいはひとならびぬるは、いと難きものになん」
② 力やわざなどの優劣がなく同じになる。匹敵する。同列になる。
※竹取(9C末‐10C初)「宝と見え、うるはしき事ならぶべき物なし」
③ ことばがすらすらとよどみなく続く。
歌舞伎五大力恋緘(評釈江戸文学叢書所収)(1793)二幕「小万さんのせりふがならばぬ故、ハアハア思うて大汗をかきました」
[2] 〘他バ下二〙 ⇒ならべる(並)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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