中川 牧三(読み)ナカガワ マキゾウ

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「中川 牧三」の解説

中川 牧三
ナカガワ マキゾウ


職業
声楽

専門
テノール

肩書
日本イタリア協会会長,徳島文理大学名誉教授

本名
中川 牧太郎(ナカガワ マキタロウ)

生年月日
明治35年 12月7日

出生地
京都府 京都市中京区

学歴
同志社大学法科中退,ベルリン高等音楽学校卒,ミラノ音楽院卒,南カリフォルニア大学音楽学部卒

経歴
声楽をオルガ・カラスロワ、和声を菅原明朗指揮近衛秀麿師事。昭和5年より欧米に留学、ドイツではベルリン音楽院に学び、指揮法をオット・クレンペラー、作曲をパウル・ヒンデミット、バイオリンカール・フレッシュ、声楽をワイセンボーンに師事した。イタリアではヴェルディ音楽院とスカラ座歌手養成所に初の日本人学生として入学、アルフレッド・チェッキに師事。7年ピアチェンツァ歌劇場に初めての日本人歌手としてデビュー。8年南カリフォルニア大学に学び、同年ハリウッドのチャイニーズ・グローマン歌劇場で、邦人として初めてリサイタルを開いた。10年に帰国した後は全日本合唱連盟や全日本吹奏楽連盟の創設に携わった。太平洋戦争中は中支派遣軍総司令部参謀部で文化担当の幕僚として、上海において文化活動を推進。戦後はイタリアオペラの普及に尽力する一方、イタリア式の発声普及に力を注ぎ、イタリアオペラの伝統的唱法・ベルカント唱法を広めた。44年よりイタリア声楽コンコルソを主宰、審査委員長。平成16年101歳で関西フィルハーモニー管弦楽団を指揮して話題を呼ぶ。18年103歳で日本人として初めてイタリア連帯の星勲章最高位を受けた。徳島文理大学教授、作陽音楽大学客員教授も務めた。訳書に「愛の妙薬」などがある。

所属団体
ヴィヴァルディ国際学会(名誉会員) 日本イタリア協会

受賞
イタリア功労勲章カヴァリエーレウフィツィアーレ章〔昭和55年〕,イタリア連帯の星勲章〔平成17年〕,イタリア連帯の星勲章最高位〔平成18年〕 イタリア芸術賞〔昭和5年〕,マルタ騎士〔平成13年〕,京都府文化賞(特別功労賞 第23回)〔平成17年〕,文化庁長官表彰〔平成17年〕

没年月日
平成20年 3月18日 (2008年)

家族
兄=中川 源一郎(衆院議員)

伝記
日本人歌手ここに在り!―海外に雄飛した歌い手の先人たち 江本 弘志 著(発行元 文芸社 ’05発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

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