精選版 日本国語大辞典 「中抜・中貫」の意味・読み・例文・類語
なか‐ぬき【中抜・中貫】
〘名〙
① 中のものを抜きとること。また、内部をくり抜くこと。また、そのもの。
※雑俳・三国志(1709)「中抜の荷もならべたりや見事也」
② 他の客の座に呼ばれている遊女を、途中で自分のほうに呼び迎えること。
※浮世草子・棠大門屋敷(1705)三「貰ひの、中ぬきのといふ事をさせず」
③ 野菜や草花などで、一度間引いたあとで、さらにもう一度間引くこと。
※浮世草子・好色二代男(1684)二「中抜(ナカヌキ)の大根揃へる片手に」
④ 「なかぬきだいこん(中抜大根)」の略。
※歌謡・吟曲古今大全(1716‐36頃)青物山人「畠より中抜を此店にさらさんず」
⑤ 「なかぬきぞうり(中抜草履)」の略。
※浮世草子・好色一代男(1682)七「運斎織の袋足踏、中(ナカ)ぬきの細緒をはき」
⑦ =なかふなばり(中船梁)
※和漢船用集(1766)一〇「中貫(ナカヌキ) 櫓床と舟梁との中貫、則中貫舟梁也」
⑧ 女鬘の一つ。
⑨ 財布、ポケット、かばんなどの中から金銭を抜き取ること、また、内ふところから財布をすり取り、中の金銭だけを取って財布を元へもどすことをいう、すり仲間の隠語。〔隠語輯覧(1915)〕
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