中村七三郎(2代)(読み)なかむら・しちさぶろう

朝日日本歴史人物事典 「中村七三郎(2代)」の解説

中村七三郎(2代)

没年:安永3(1774)
生年元禄16(1703)
江戸中期の歌舞伎役者初代養子屋号中村屋。正徳1(1711)年2代目を襲名し初舞台を踏む。若衆形を経て立役となる。曾我十郎をはじめとする初代の当たり役を継承して,和事芸を確固たるものにし「和実名人」と称された。明和4(1767)年の評判記で「惣巻軸功上上吉」という当時の最高位を得た。安永2(1773)年,一世一代(引退興行)で「菅原伝授手習鑑」の菅丞相をつとめた。七三郎名跡は昭和期までに5代を数える。<参考文献>伊原敏郎『日本演劇史』

(田口章子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村七三郎(2代)」の解説

中村七三郎(2代) なかむら-しちさぶろう

1703-1774 江戸時代中期の歌舞伎役者。
元禄(げんろく)16年生まれ。中村明石清三郎の子。初代中村七三郎の養子。宝永8年2代を襲名し,江戸中村座で初舞台をふむ。若衆方から立役(たちやく)となる。和実(わじつ)の達人と称され,「菅原伝授手習鑑(かがみ)」の菅丞相(かんしょうじょう)を当たり役とした。安永3年9月2日死去。72歳。江戸出身。幼名は清吉。俳名少長。屋号は中村屋。

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