20世紀日本人名事典 「中河 与一」の解説
中河 与一
ナカガワ ヨイチ
大正・昭和期の小説家
- 生年
- 明治30(1897)年2月28日
- 没年
- 平成6(1994)年12月12日
- 出生地
- 東京
- 出身地
- 香川県坂出町(現・坂出市 本籍)
- 学歴〔年〕
- 早稲田大学英文科〔大正11年〕中退
- 主な受賞名〔年〕
- 透谷文学賞(第1回)〔昭和12年〕「愛恋無限」,勲三等瑞宝章〔昭和51年〕
- 経歴
- 初め、スケッチや短歌に熱中し「朱欒」に投稿。大正7年上京し、本郷美術研究所に通う。11年歌集「光る波」を刊行。10年頃から小説を発表し、12年発表の「或る新婚者」で作家としての地位を確立。13年川端康成らと「文芸時代」を創刊し新感覚派運動に参加、「刺繡せられた野菜」などを発表。昭和12年「愛恋無限」で第1回の透谷文学賞を受賞。13年代表作「天の夕顔」を発表、人気を集めた。戦時中は「文芸世紀」を主宰。評論面でも「形式主義芸術論」「フォルマリズム芸術論」の著書があり、他の歌集に「秘帖」「中河与一全歌集」がある。戦後は「失楽の庭」「悲劇の季節」「探美の夜」などの作品があり、「中河与一全集」(全12巻 角川書店)も刊行されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」（2004年刊）20世紀日本人名事典について 情報