中田(宮城県)(読み)なかだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中田(宮城県)」の意味・わかりやすい解説

中田(宮城県)
なかだ

宮城県北東部、登米郡(とめぐん)にあった旧町名(中田町(ちょう))。現在は登米市の中北部を占める地域。旧中田町は、1956年(昭和31)石森(いしのもり)町と宝江(たからえ)、上沼(うわぬま)、浅水(あさみず)の3村が合併して成立。2005年(平成17)迫(はさま)、登米(とよま)、東和(とうわ)、豊里(とよさと)、米山(よねやま)、石越(いしこし)、南方(みなみかた)、津山(つやま)の8町と合併して市制施行し、登米市となった。国道342号、346号、398号が通じる。迫川と北上(きたかみ)川に挟まれ、地域のほぼ半分を水田が占める。北部には名称の由来ともなった広大な中田沼があったが、明治末年に干拓され456ヘクタールの良田となった。1947年のカスリーン台風の襲来により上沼村大泉で北上川の堤防が決壊、現在の中田地区全域が泥沼と化し、復旧に1年近くを要した。米作が中心であるが、養豚団地や無加温ハウスの野菜団地がつくられ、畜産や園芸も盛んになってきている。中心集落の石森には中世の城跡があり、古碑、板碑が多い。伊達(だて)氏の藩政時代には笠原氏(かさはらうじ)が「所」拝領をしていた。また一帯新田集落が多い。弥勒(みろく)寺の弥勒菩薩坐像(ぼさつざぞう)は県の重要文化財だが、33年ごとに開帳される秘仏となっている。

[境田清隆]

『『中田町史』(1977・中田町)』


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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