20世紀日本人名事典 「中野 好夫」の解説
中野 好夫
ナカノ ヨシオ
昭和期の評論家,英文学者,平和運動家
- 生年
- 明治36(1903)年8月2日
- 没年
- 昭和60(1985)年2月20日
- 出生地
- 愛媛県松山市道後町
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学文学部英文科〔大正15年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 毎日出版文化賞(第21回)〔昭和42年〕「シェイクスピアの面白さ」,大仏次郎賞(第1回)〔昭和49年〕「蘆花徳冨健次郎」,朝日賞(昭57年度)
- 経歴
- 中学や師範学校で教えたのち、昭和10年東京帝大助教授、23年同教授となったが、28年“教授では食えぬ”と辞職して評論活動に転進し、39年中大教授に。この間、日本で初めてサマセット・モームの作品を翻訳、シェークスピアの研究で業績を残した。晩年はギボンの「ローマ帝国衰亡史」の翻訳に没頭。一方、42年の都知事選では“明るい革新都政をつくる会”の代表委員として美濃部都政の実現に貢献、また第五福竜丸の保存運動や原水禁運動の統一などに力を尽くした。他の著書に「アラビアのロレンス」「文学試論集〈1〜2〉」「エリザベス朝演劇講話」「ぼらのへそ」「シェイクスピアの面白さ」「蘆花徳冨健次郎」(全3冊)などがある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報