丹波篠山(市)(読み)たんばささやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「丹波篠山(市)」の意味・わかりやすい解説

丹波篠山(市)
たんばささやま

兵庫県東部にある市。1999年(平成11)多紀(たき)郡の篠山町、今田町(こんだちょう)、丹南町(たんなんちょう)、西紀町(にしきちょう)が合併、多紀郡域すべてを町域とする篠山町となり、市制施行して篠山市が成立。2019年(令和1)5月丹波篠山市改称。JR福知山線、国道173号、176号、372号が通じ、舞鶴若狭自動車道(まいづるわかさじどうしゃどう)丹南篠山口インターチェンジがある。北から東を京都府、東南部を大阪府と接する。四周を600~700メートル級の山に囲まれる篠山盆地に位置し、ほぼ中央を篠山川が西流する。北部は多紀連山県立自然公園に含まれる。

 旧西紀町地区の板井寺ヶ谷遺跡は旧石器時代後期の集落跡。旧丹南町地区北野遺跡は弥生時代後期から中世に至る集落跡で、遺跡の範囲は6万平方キロメートルに及ぶと考えられる。旧篠山町地区には約700基の古墳が分布する。前期の雲部車塚古墳(くもべくるまづかこふん)は墳丘全長約140メートル、周濠をめぐらせて2基の陪塚を配した丹波地方最大級の前方後円墳。古代は市域を山陰道が通り、中世にかけて京都東寺領大山(おおやま)荘など、奈良や京都の大社寺や摂関家の荘園が多数成立した。旧丹南町地区には同荘の関連遺跡が残る。室町時代に八上(やかみ)城(跡地は国史跡)に波多野氏が拠って勢力を伸ばし、戦国大名へと成長する。江戸時代、篠山は篠山城(跡地は国史跡)を中心に篠山藩6万石の城下町として繁栄した。京街道(篠山街道)が横断し、福住(ふくすみ)とともに宿としてもにぎわった(いずれも町並みは重要伝統的建造物群保存地区)。

 主産業は農業。米作中心で、丹波黒大豆、丹波大納言、丹波栗、丹波山の芋、マツタケ、茶や、今田町地区の凍り豆腐、立杭焼(たちくいやき)などが特産。面積377.59平方キロメートル、人口3万9611(2020)。

[編集部]

『『篠山町七十五年史』(1955・篠山町)』『兵庫県教育委員会編『兵庫の町並――篠山・室津・平福』(1975・兵庫県社会文化協会)』『『篠山町百年史』(1983・篠山町)』


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