普及版 字通 「久(漢字)」の読み・字形・画数・意味
久
常用漢字 3画
[字訓] ひさしい
[説文解字]
[字形] 象形
屍体を後ろから木で支えている形。〔説文〕五下に「後より之れを灸す。人の兩脛の後にるに象るなり」とし、後ろにものを詰める意とする。〔儀礼、士喪礼〕に「木桁(きげた)もて之れを久す」というように、木桁で支えることもあり、久とはその象であろう。これを櫃中に収めるときには・柩という。匚(けい)部十二下に「柩は棺なり」とあり、棺とは屍を綰(つつ)んで納める意である。籀文(ちゆうぶん)の字形はに作る。久・(旧)は声義近く、通用する。久は屍を支える形、は鳥の足をいで係留する意で、ともに久遠の意において通ずる。久を久遠とするのは、死者の象である眞(真)を、永遠に実在するものの意に転化するのと、相似た思弁の結果である。
[訓義]
1. ささえる、ものをつめる、ふさぐ、おおう。
2. ひさしい、ひさしくする、とどまる。
3. おくれる、まつ。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕久 ヒサシ/經久 ヤヤヒサシ 〔字鏡集〕久 ヒサシ・ナガシ・トホシ
[声系]
〔説文〕に久声として玖・・・灸・柩・など七字を収める。・はもと久声の字ではない。はまた疚に作り、「なり」と訓し、人を喪った憂患をいう。
[語系]
久kiu、giuは声近く、久遠の義がある。ゆえに柩をまたに作る。韭kiuは永生の菜とされるもので、またその声が近い。
[熟語]
久愛▶・久安▶・久違▶・久逸▶・久佚▶・久陰▶・久雨▶・久役▶・久延▶・久淹▶・久怨▶・久遠▶・久仮▶・久懐▶・久闊▶・久旱▶・久客▶・久久▶・久許▶・久計▶・久故▶・久錮▶・久交▶・久拘▶・久困▶・久疾▶・久寿▶・久習▶・久住▶・久宿▶・久醸▶・久世▶・久生▶・久滞▶・久知▶・久駐▶・久長▶・久伝▶・久徳▶・久念▶・久廃▶・久病▶・久墳▶・久聞▶・久別▶・久約▶・久游▶・久游▶・久要▶・久留▶・久例▶・久齢▶・久之▶
[下接語]
永久・延久・淹久・恒久・曠久・歳久・持久・守久・少久・積久・耐久・遅久・長久・弥久・悠久・良久
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報