乾反・干反(読み)ひぞり

精選版 日本国語大辞典 「乾反・干反」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ぞり【乾反・干反】

〘名〙
① かわいて、そりかえること。また、そのもの。
浄瑠璃今宮心中(1711頃)中「ひぞりし直し、上下を盤にかけて打ちけるが」
② 貧乏して飢えること。窮乏しきること。
浮世草子・御入部伽羅女(1710)二「宇八どのも永々の窮(ヒゾリ)、貧のぬすみに恋の歌とは」
③ すねておこること。すねて無理をいうこと。また、そのことば。ひぞりごと。
歌舞伎松梅鶯曾我(1822)後の三立「そんなひぞりは、よしの木さいかち」

ひ‐ぞ・る【乾反・干反】

〘自ラ四〙 (「ひそる」とも)
① かわいて水分がなくなり、そりかえる。そる。
※幸若・高たち(室町末‐近世初)「やたてに矢をはためすしてひそりけるその矢が」
※俳諧・水馴棹(1705)「此雨に干反り直さん畳み庵」
② すねる。ひねくれる。ひがんで意地悪をする。すねて腹をたてる。
評判記色道大鏡(1678)一「よくしこみをきたる女郎、何となくひぞりて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android