二名法(読み)にめいほう(英語表記)binominal nomenclature

精選版 日本国語大辞典 「二名法」の意味・読み・例文・類語

にめい‐ほう ‥ハフ【二名法】

〘名〙 生物分類基本になる種に対して、属名種名の二語を並べる学名表記の方式をいう。現在の学名はこの方式を採っている。たとえば、スギナの学名の Equisetum arvense の前者が属名、後者が種名で、この二語によりスギナという種を正しく示すことができる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「二名法」の意味・読み・例文・類語

にめい‐ほう〔‐ハフ〕【二名法】

生物の種の学名の付け方で、ラテン語を用い、属と種の名を列記するもの。属名大文字で始め、種の名(種小名種形容語)は小文字植物人名に由来する場合は大文字)で始める。リンネが提案。
[補説]例えば、イチョウの学名はGinkgo biloba。Ginkgoは日本語の銀杏の音読みGinkjoの誤記とされる。bilobaは二つに裂けた葉という意味。イチョウは中国原産だが、17世紀末に日本に滞在したケンペルが帰国後刊行した著書の中で紹介し、後にリンネが命名した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二名法」の意味・わかりやすい解説

二名法
にめいほう
binominal nomenclature

複名法ともいう。生物分類の正式命名法で,種の学名をつける場合に,ラテン語でその属の名と種の名とを組合せて表わす。この方式は,1620年に G.ボアンが約 6000種に及ぶ植物の記載をした際にも用いたものであるが,C.リンネが『自然の体系』 Systema Naturae (1735) を著わしたときに本格的に採用し,それが今日にいたっている (今日基準とするのは 1758年の第 10版である) 。ただし亜種名などは種名のあとに続けるので,この場合には三名法のような感じになる (たとえば,ネアンデルタール人Homo sapiens neanderthalensis) 。また詳しくは,学名のあとに命名者,命名年号を記すが,これは通常,略される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android