家庭医学館 の解説
にじせいひんけつぞくはつせいひんけつしょうこうせいひんけつ【二次性貧血(続発性貧血/症候性貧血) Secondary Anemia】
他の病気の症状としておこる貧血を、二次性貧血、続発性貧血、あるいは症候性貧血といいます。よくみられる貧血で、治療は原因疾患の治療と同時に行ないますが、原因がはっきりせず、診断に時間がかかることもあります。
●出血性貧血(しゅっけつせいひんけつ)
鉄欠乏性貧血(「鉄欠乏性貧血」)のように、なんらかの原因で大量に、あるいは少量でも慢性的な出血があると、貧血がおこります。とくに体内での慢性の少量出血は、原因をつきとめて治療しますが、同時に鉄分を補う治療もたいせつです。
●感染症、炎症、がんによる貧血
慢性の感染症や炎症、がんがあると、鉄分を摂取しても治らない貧血がおこることがあります。原因は、免疫(めんえき)にかかわる組織が活発になり、鉄が組織にとり込まれて、鉄欠乏の状態になるためです。
●腎臓病(じんぞうびょう)による貧血
腎臓病が悪化して腎臓の機能が失われてくる(腎不全(じんふぜん))と、造血(ぞうけつ)を促すホルモンであるエリスロポエチン(赤血球生成促進因子(せっけっきゅうせいせいそくしんいんし))が産生されにくくなるために、貧血がおこります。
エリスロポエチンは、鉄分の不足がなければ、慢性腎炎の治療や人工透析(じんこうとうせき)をしている人にも効果的です。
この場合も、貧血の治療が、原因となっている腎臓病の改善に役立ちます。
●肝臓病による貧血
肝臓は、体内の一大化学工場のような臓器で、肝臓に病気があると、さまざまな物質の代謝機能(たいしゃきのう)が低下し、貧血がおこります。
治療には、肝臓病の治療が第一です。
●内分泌(ないぶんぴつ)の病気による貧血
ホルモンは造血機能に影響するので、内分泌の病気があると貧血がおこります。
治療には、不足したホルモンの補充などが行なわれます。