五色台(読み)ゴシキダイ

デジタル大辞泉 「五色台」の意味・読み・例文・類語

ごしき‐だい【五色台】

香川県中央北部にある、瀬戸内海備讃びさん瀬戸に臨む台地。高松市坂出さかいで市の境に位置し、南北約10キロメートル、東西約8キロメートル。ほぼ平坦な卓状地となっており、最高峰猪尻いのしり山(標高483メートル)。名の由来は白峰しらみね山・黒峰・赤峰あかみね台(またはこうノ峰)・青峰・黄ノ峰の山々があることから。瀬戸内海国立公園に属する。国分こくぶ台。

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日本歴史地名大系 「五色台」の解説

五色台
ごしきだい

高松市の西部から綾歌あやうた国分寺こくぶんじ町の北部および坂出市東部にまたがる開析溶岩台地の総称で、瀬戸内海国立公園に含まれる。高松市の生島いくしま湾と亀水たるみ湾に挟まれたあか(赤峰、二四五メートル)、その南方のノ峰(一七四・九メートル)あお(四四九・三メートル)、高松市と坂出市の境にあるくろ(峰ノ山、三四一メートル)、その南西の白峰しろみね(三三六・九メートル)を主峰とした山岳地帯である。

五峰のうちもっとも早く文献にみえるのは白峰で、西行は白峰山上にある崇徳天皇陵に詣で、「白峯と申す所に御墓の侍りけるにまゐりて」という詞書をもつ歌を詠んでいる(山家集)。崇徳天皇陵とそれを守護する白峯しろみね寺があることから都人にも知られ、後深草院二条の「とはずがたり」や「鹿苑院殿厳島詣記」にも登場し、また細川清氏と同頼之が戦った際、清氏は「白峯ノ麓」に城を構えていた(「太平記」巻三八)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五色台」の意味・わかりやすい解説

五色台
ごしきだい

香川県中部,高松市と坂出市の境界にある山地。北から紅峰,黄峰,黒峰,青峰,白峰 (→白峰山 ) からなり,名称の由来になっている。最高点は大平山 (479m) 。開析された溶岩台地で,花崗岩類上に火成砕屑岩を挟んで讃岐岩安山岩,讃岐岩があり,これを流紋岩の細岩脈が貫く。南部の国分台山頂部の火山灰土中には,県内最古の旧石器文化遺跡が広く分布。ノハラシャクなどの貴重な群落,ハッチョウトンボ,コノシメトンボなど多種の希少昆虫,多くの鳥類が生息。四国八十八ヵ所の第 81番札所白峯寺,第 82番札所根香寺 (ねごろじ) ,国民休暇村があり,自然科学館,歴史民俗資料館など施設が多い。白峯寺,根香寺には国指定の重要文化財が所蔵されている。瀬戸内海国立公園に属し,大平山から北方の大崎ノ鼻付近まで五色台スカイラインが通り,中心部を東西に高松坂出道路がトンネルで貫通する。

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改訂新版 世界大百科事典 「五色台」の意味・わかりやすい解説

五色台 (ごしきだい)

香川県高松市の旧高松市,旧国分寺町,坂出市にまたがる溶岩台地。国分台ともいう。名称は白峰,青峰,紅峰,黒峰,黄峰の5峰をもつことに由来する。最高峰は標高479mの大平山。台地上からは旧石器時代の遺物が多数出土し,その材料の妙音を発するサヌカイト(別名カンカン石)は緻密な安山岩でこの地方の特産物である。台地上には自然科学館,植物園など教育施設が多く,県下の小・中学生が合宿して行う五色台教育は名高い。四国八十八ヵ所81番札所白峯(しろみね)寺,82番札所根香(ねごろ)寺があり,前者には崇徳上皇の白峰御陵もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「五色台」の意味・わかりやすい解説

五色台
ごしきだい

香川県中北部にある瀬戸内海に臨む台地状の山地。国分台(こくぶだい)ともいう。高松市、坂出(さかいで)市にまたがる8キロメートル四方の屋島(やしま)型山地で、山頂はほぼ平坦(へいたん)である。大平山(おおひらやま)(479メートル)を最高とし、花崗(かこう)岩の上に凝灰岩や讃岐(さぬき)岩質安山岩が広く分布し、マツの木で覆われている。白峰山(しらみねさん)、黒峰、紅(こう)ノ峰、青峰、黄ノ峰の山々があることから五色台とよばれる。これらの峰を回る自動車道路がつけられ、瀬戸内海の多島美を楽しめる。展望台やレストハウスなどのほかに瀬戸内海歴史民俗資料館や野外活動センターなどもあり、とくに資料館は漁業に関する民俗資料を収集する。白峰山には四国八十八か所第81番札所白峰(しろみね)寺、青峰には第82番根香寺(ねごろじ)がある。白峰寺の境内には、保元(ほうげん)の乱後讃岐に配流された崇徳(すとく)上皇の御陵がある。五色台北西麓(ろく)には国民休暇村がある。

[稲田道彦]


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事典・日本の観光資源 「五色台」の解説

五色台

(香川県高松市・坂出市)
香川のみどり100選」指定の観光名所。

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