井上 信子(読み)イノウエ ノブコ

20世紀日本人名事典 「井上 信子」の解説

井上 信子
イノウエ ノブコ

明治〜昭和期の川柳作家



生年
明治2年10月(1869年)

没年
昭和33(1958)年4月16日

出生地
山口県萩市

経歴
川柳中興の祖と言われる川柳作家・井上剣花坊と再婚後上京。日露戦争中看護婦として従軍。40代後半から本格的に川柳作句を始め、女性川柳作家として初の句集刊行傍ら、昭和4年川柳女性の会を結成し、女性柳人の育成にも努めた。9年夫亡き後、柳樽寺川柳会と、その機関紙「川柳人」を引き継ぎ、主宰太平洋戦争では戦時色強まる中、反戦川柳作家・鶴彬を支持し、同機関紙に作品を掲載、68歳の時検挙された経験も持つ。傍ら同年から15年まで「福岡日日新聞」(現・西日本新聞)の川柳欄選者も務めた。88歳で亡くなるまで現役で活躍した。二女・大石鶴子が同機関紙を主宰。平成10年熊本市の大学講師・谷口絹枝により「蒼空の人・井上信子」が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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