井上 八千代(4代目)(読み)イノウエ ヤチヨ

20世紀日本人名事典 「井上 八千代(4代目)」の解説

井上 八千代(4代目)
イノウエ ヤチヨ

大正〜平成期の日本舞踊家 井上流家元(4代目)。



生年
明治38(1905)年5月14日

没年
平成16(2004)年3月19日

出生地
京都府京都市祇園

本名
片山 愛子(カタヤマ アイコ)

別名
名取名=井上 愛子(イノウエ アイコ)

学歴〔年〕
弥生小〔大正6年〕卒

主な受賞名〔年〕
日本芸術院賞〔昭和26年〕,芸術祭賞〔昭和28年〕「雪まろげ」,NHK放送文化賞〔昭和46年〕,文化功労者〔昭和50年〕,勲三等宝冠章〔昭和51年〕,花柳寿応賞〔昭和60年〕,関西大賞(第3回)〔昭和63年〕,文化勲章〔平成2年〕

経歴
明治41年3歳の時に3代目八千代に入門。大正8年内弟子から養女となる。同年名取となり、井上愛子を名のる。12年祇園女紅場(芸妓養成所)舞踊科教師。昭和6年3代目の孫で能楽師片山博通と結婚。13年3代目の死去により家元代理となり、22年4代目を襲名。幼い頃から天才として評判で、たゆまぬ稽古により京舞井上流の古格を正確に伝承。能や歌舞伎などの様式を取り入れ一点一画のゆるぎをみせぬ所作の中に、足先や目線の微妙や動きで心の動きを表現し、最晩年に至っても高い品格とえもいわれぬ色気を持つ、深い味わいのある舞を披露した。23年祇園から門外不出といわれた井上流の舞踊会を東京で実現。また25年太平洋戦争で一時中断されていた“都をどり”が再開すると家元の立場で振付けや指導を行い、旧知谷崎潤一郎や吉井勇らに脚本を書いてもらうなど、京都の春を代表する行事に育て上げた。30年人間国宝、32年芸術院会員、平成2年文化勲章受章。日本舞踊協会副会長も務めた。12年95歳の誕生日に孫の井上三千代に5代目と家元を譲り、再び井上愛子を名のった。得意曲に「長刀八島」「信乃」「山姥」「葵の上」「鉄輪」「海士」「虫の音」などがあり、地唄「鳥辺山」、義太夫「翁」などの振り付けを残した。著書に「井上八千代芸話」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

367日誕生日大事典 「井上 八千代(4代目)」の解説

井上 八千代(4代目) (いのうえ やちよ)

生年月日:1905年5月14日
昭和時代;平成時代の日本舞踊家
2004年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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