井上 石邨(読み)イノウエ セキソン

20世紀日本人名事典 「井上 石邨」の解説

井上 石邨
イノウエ セキソン

大正・昭和期の日本画家 日本南画院常任理事。



生年
明治26(1893)年3月10日

没年
昭和50(1975)年3月25日

出生地
兵庫県三木市

本名
井上 竜

別名
別号=尚徉山人,逍羊道人

主な受賞名〔年〕
日本南画院展会長賞(第8回)〔昭和43年〕「潮風」,日本南画院賞(第15回)〔昭和50年〕「懐古

経歴
高等小学校を卒業後に画家を志し、京都に出て表具屋で働く。大正1年南画家の田近竹邨に入門。絵は他にも小室翠雲の指導を受け、また漢籍を漢学者長尾雨山に学んだ。大正10年日本南画院の創立に参加し、昭和6年の第10回同院展に「平湯所見」を出品して初入選。以来、同展で入賞を重ねる一方、8年より平安南画会にも関係し、同人や常任理事を務めた。戦後、35年に日本画家松林桂月らとはかって一時中断されていた日本南画院を再興し、43年の第8回同院展で「潮風」を発表して会長賞、さらに50年の第15回同院展では「懐古」で日本南画院賞を受賞。細密筆致を持つ水墨画を得意とし、最後の南画家と呼ばれる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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