仕込杖(読み)しこみづえ

精選版 日本国語大辞典 「仕込杖」の意味・読み・例文・類語

しこみ‐づえ ‥づゑ【仕込杖】

〘名〙 刀、槍の細身の刃などを杖の中に入れてつくってあるもの。外からは杖のようにしか見えないようにしてある。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一七「俵藤太取て帰りし鐘を撞 三上山よりこれしこみ杖」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「仕込杖」の意味・わかりやすい解説

仕込杖
しこみづえ

細身の刀剣を杖の中に仕込んで、杖と武器を兼用したものである。正倉院に、奈良時代のもので、鞘(さや)を杖に仕立てた呉竹鞘杖刀(くれたけさやじょうとう)がある。しかしその後の遺例はなく、近世に至って用いられ、明治期の廃刀令以後、護身用として、結社して対立する壮士たちなどの携帯するところともなった。

[齋藤愼一]

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