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付く・附く・憑く・点く つく

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大辞林 第三版の解説

つく【付く・附く・憑く・点く】

( 動五[四] )
物と物とが接触・接合・付着する。
二つの物が触れたまま離れなくなる。くっつく。接合する。 「折れた腕の骨がうまく-・いた」 「接着剤でぴったり-・いて離れなくなる」
ある物と他のある物とが接近してすき間がない状態になる。 「両ひざが軽く-・くように座る」
ある物に異質な物が付着・浸透する。くっつく。 「顔に泥が-・いている」 「洋服に糸くずが-・いている」 「シャツにしみが-・く」
主たる物に付随的なものが添えられる。
付属する。 「鍵の-・いた日記帳」 「毛皮のえりの-・いたコート」
(「附く」とも書く)あとから加わって、全体が増える。 「話に尾鰭ひれが-・く」 「利息が-・く」
草木の芽が出る。実がなる。 「今年は桃のつぼみが-・かない」 「梅の実がいっぱい-・く」
あとが残る。
力を加えたあとが残る。 「机に傷が-・く」 「点々と足跡が-・いている」
しるしが記される。 「○印の-・いているのが実行委員です」
帳簿などに記入される。 「支払った金額はすべて帳簿に-・いている」
植物などがしっかり根をおろす。根づく。 「挿し木がうまく-・いた」 「種痘が-・く」
肉・力・能力・良さなどが身に備わる。 「栄養が身に-・かない」 「丸暗記では知識が身に-・かない」 「実力が-・く」 「貫禄が-・く」 「早寝早起きの習慣が-・く」 「徳を-・かんと思はば、すべからく先づその心づかひを修行すべし/徒然 217
連歌・俳諧で、前の句と後の句がうまくつながる。
そばに寄る。近付く。
(意図的動作)人が他の人のそばにいる。
保護するためにそばにいる。付き添う。 「患者に付き添い人が-・く」 「要人には護衛が-・く」
他の人のあとに続く。 「行列の後ろに-・く」
対立するものの一方に加わる。味方をする。 「南朝に-・くか北朝に-・くか」 「誰がこっちに-・いてくれるか」
(結果的動作)あるものが現れる・来る。
ある商品の買い手が現れる。 「高すぎて買い手が-・かない」
他から苦情が寄せられる。 「商品にクレームが-・く」 「けちが-・く」
(多く「憑く」と書く)魔性のものが人にとりつく。 「キツネが-・いている」
〔「運がつく」の省略〕 幸運に恵まれる。 「今日は-・いている」
あるものが加えられ、新しい状態になる。
新たに設けられる。設置・設備される。 「下宿に電話が-・いた」 「十字路に信号機が-・いた」
(「点く」とも書く)ある現象・活動などが現れる。
火が燃え出す。発火する。 「ライターの具合が悪くて火が-・かない」
灯火がともる。点灯する。また、電気で作動する装置が働く。 「部屋にあかりが-・く」 「朝七時にはラジオが-・くようにセットしてある」 「一日中テレビが-・いている」
名称・評点などが加えられる。
名前が与えられる。名付けられる。 「生まれたばかりでまだ名前が-・いていない」
役・予算などが割り当てられる。 「王女の役が-・いた」 「修理のための予算が-・いた」
評点・値段が与えられる。 「この間の作文には九〇点が-・いていた」 「ただの普通の壺に一千万円の値が-・いた」 「できた物を買うより自分で作るほうが安く-・く」 「かえって高いものに-・いた」
きちんとした説明が加えられる。 「彼女がなぜ自殺したのか説明が-・かない」 「理屈はどうとでも-・く」
実現・決着が望まれていたことが実現・決着する。 「やっと決心が-・いた」 「まだあきらめが-・かない」 「ふんぎりが-・かない」 「あっさり勝負が-・いた」 「混乱して収拾が-・かない」 「あの問題はかたが-・いた」 「けりが-・く」 「当事者の間で話が-・いた」
区分がはっきりする。また、自然と差が出る。 「やっていいことと悪いことのけじめが-・かないのか」 「第二走者との間に差が-・いた」
判断・予想が行われる。
「…がつく」の形で用いる。 「犯人はだいたい見当が-・いている」 「全く予想が-・かない」 「察しが-・く」 「めぼしが-・く」
助詞「と」「に」で受けたものに打ち消しを伴って用いる。 「うそとも本気とも-・かない」 「愚にも-・かぬ計画」
感覚や意識が働く。
ある感覚器官に強く感じられる。 「大きな看板が目に-・いた」 「時計の音が耳に-・いて眠れない」 「においが鼻に-・く」
(「気がつく」の形で)
あるものごとを認識する。気づく。 「…ということに気が-・いた」
失っていた意識がよみがえる。正気にかえる。 「気が-・いたらベッドの中だった」
ある気持ちがおこる。 「里心が-・く」 「物心が-・く」
(「心につく」の形で)人に好ましく思われる。気に入る。 「をかしき絵など多く雛遊びなどする所に、と心に-・くべきことを宣ふけはひ/源氏 若紫」 〔「付ける」に対する自動詞〕 → つく(接尾)
( 動下二 )
つける
[慣用] 足が- ・足下に火が- ・板に- ・襟に- ・襟元に- ・縁に- ・恰好が- ・時代が- ・尻に火が- ・土が- ・手が- ・箔が- ・人目に- ・虫が- ・焼け棒杭ぼつくいに火が- / 悪銭身につかず ・足が地に付かない ・示しがつかない ・手に付かない ・火のついたように ・引っ込みがつかない
[表記] つく(付・憑・点・就・即・着)
「付く」は“離れなくなる。加わる。組する。決まる”の意。「しみが付く」「傷が付く」「話に尾鰭おひれが付く」「条件が付く」「味方に付く」「収拾が付かない」「けじめが付く」〔加わる意の場合は「附く」とも書く〕  「憑く」は“魔性のものが人にとりつく”の意。「狐きつねが憑く」  「点く」は“発火する。点灯する”の意。「火が点く」「明かりが点く」「街灯が点く」  「就く」は“仕事や役職に身を置く。…し始める”の意。「社長のポストに就く」「仕事に就く」「眠りに就く」「家路に就く」  「即く」は“即位する”の意。「帝位に即く」  「着く」は“到着する。達する。すわる”の意。「駅に着いた」「荷物が着く」「席に着く」
[句項目]

出典|三省堂
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