伊勢崎市(読み)イセサキシ

デジタル大辞泉 「伊勢崎市」の意味・読み・例文・類語

いせさき‐し【伊勢崎市】

伊勢崎

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日本歴史地名大系 「伊勢崎市」の解説

伊勢崎市
いせさきし

面積:六五・七九平方キロ

県南部にあり、北は前橋市・佐波さわ赤堀あかぼり町、東は同郡あずま村・さかい町、南は埼玉県本庄ほんじよう市、西は佐波郡玉村たまむら町。赤城山南面の低地にあり、市域南西境を利根川が、支流かす川が東部を、広瀬ひろせ川が中央部を、その西側をにら川がそれぞれ南東流する。南部を国道三五四号(旧日光例幣使街道)が東西に通り、北東端を上武バイパスがかすめる。鉄道には国鉄両毛線、東武伊勢崎線がある。伊勢崎の名は戦国時代に付いたもので、以前は赤石あかいし郷と称した。永禄三年(一五六〇)の上杉謙信関東侵攻のおり失地を回復した由良成繁が、翌四年神の加護に感謝して赤石郷を伊勢大神宮に寄進した(五月八日「由良成繁書状写」神宮文庫三方会合所引留)のが地名の起りであるという。現市域はかつての佐位さい郡・那波なは郡にまたがり、広瀬川によって東部の旧佐位郡地区と西部の旧那波郡地区にほぼ区切られる。

〔原始・古代〕

遺跡・古墳は北部に多い。先土器時代の遺跡では豊城とよしろ町の権現山ごんげんやま遺跡が知られる。縄文遺跡は波志江はしえ町・安堀あんぼり町・太田おおた町付近、粕川・広瀬川左岸流域に多く発見されている。古墳も広瀬川の北側に多く、「上毛古墳綜覧」によれば、殖蓮うえはす地区・三郷みさと地区で市域古墳の八五パーセントを占める。韮川右岸にも古墳が連なる。「和名抄」佐位郡八郷のうち美侶みもろ郷を茂呂もろ付近、反治はじ郷を波志江周辺、駅家うまや郷を上植木かみうえき周辺に比定する説がある。また那波郡七郷のうち委文しどり郷は式内社に比定される倭文神社を中心に東上之宮ひがしかみのみや宮古みやふる付近に、韮束にらつか郷は韮塚にらづか連取つなとり付近に比定される。七世紀後半に建立されたと推定される上植木廃寺があり、発掘により寺域・伽藍配置が明らかになりつつある。佐位郡の豪族檜前君が建立に関係したと推定されている。上植木は市域を東西に通っていたと推定される東山道の佐位駅の所在地に比定される。倭文神社は機織・養蚕の神と伝えられ、祭事に田遊祭がある。

〔中世〕

一二世紀前半に京都仁和寺法金剛ほうこんごう院領淵名ふちな庄が成立し、ほぼ佐位郡域を庄域としたため佐位庄とも称された。同庄には淵名大夫を名乗る藤原兼行の一族が勢力を張っていた。中世を通じて史料上から確認できる庄内の一〇ヵ郷はいずれも「和名抄」にはみえない中世郷で、一部は現在の新田につた郡に及んでいる。一方、那波郡域では藤姓那波氏が勢力を振るった。鎌倉幕府の成立期、下野国足利あしかがや東上野の秀郷流藤原氏の支配地域は幕府勢力によって再編される。佐位・那波ではこの一帯にはおもに京都から下った幕府の法曹官僚系の中原姓淵名氏と大江姓那波氏一族が所領を得ており、それぞれ地元の藤原氏と婚姻関係を結ぶなどして、家を継承していった。

伊勢崎市
いせさきし

2005年1月1日:伊勢崎市と佐波郡赤堀町・東村・境町が合併
【赤堀町】群馬県:佐波郡
【東村】群馬県:佐波郡
【境町】群馬県:佐波郡
【伊勢崎市】群馬県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊勢崎市」の意味・わかりやすい解説

伊勢崎〔市〕
いせさき

群馬県南東部,利根川中流部左岸にある市。 1940年市制。 1955年三郷村,名和村,豊受村,宮郷村の4村を編入。 2005年赤堀町,村,町と合体。中心市街地の伊勢崎は戦国時代は赤石郷といわれ,元亀1 (1570) 年伊勢崎と改称。酒井氏城下町,市場町としても発展。周辺の養蚕業地域を後背地として古くから絹織物の産地として知られ,伊勢崎銘仙は有名。しかし銘仙の需要が減り,現在では織物出荷額のほとんどを毛織物とその混紡織物が占める。近年バス車体や自動車部品を中心とする輸送機器工業が発達,電気機器とともに全工業生産 (出荷額) のなかば以上を占めている。近郊農業も盛んで,トマト,ナスなどの野菜栽培が行なわれる。市の周辺部では出機 (でばた。機業者が下請けに製織を委託する制度) による織物製造が行なわれており,上之宮に機織りの神をまつる倭文神社 (しどりじんじゃ) がある。華蔵寺のキンモクセイは国の天然記念物。家形埴輪で有名な赤堀茶臼山古墳,および9世紀の官衙跡で国指定史跡の十三宝塚遺跡がある。 JR両毛線が通り,東武鉄道伊勢崎線の終点。国道 17号線,50号線,354号線,462号線が通じる。面積 139.44km2。人口 21万1850(2020)。

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