20世紀日本人名事典 「伊波 普猷」の解説
伊波 普猷
イハ フユウ
明治〜昭和期の民俗学者,言語学者 沖縄県立沖縄図書館館長。
- 生年
- 明治9年2月20日(1876年)
- 没年
- 昭和22(1947)年8月13日
- 出生地
- 沖縄県那覇市
- 別名
- 号=物外
- 学歴〔年〕
- 東京帝大文科大学言語学科〔明治39年〕卒
- 経歴
- 明治44年沖縄県立沖縄図書館が開館すると嘱託館長(大正10年館長)となり、琉球史の資料収集と研究に没頭。かたわら、琉球人の啓蒙活動を続け、沖縄の歴史・文化の独自性を説き、後進の研究者を育てたほか、沖縄方言と標準語の比較研究など、現場教員に大きな影響を与えた。大正14年上京、沖縄史から「おもろさうし」研究、言語学、民俗学、芸能研究へと幅を広げる。その“沖縄学”は日琉同祖論を基調とする。昭和3年にはハワイやアメリカで講演。5年帝国学士院の補助を得て「琉球語大辞典」の編纂に従事する。この間、柳田国男、折口信夫らと交流。20年沖縄人連盟代表委員となり、県民の権利擁護運動に奔走する。著書に「古琉球」「琉球人種論」「校訂おもろさうし」「をなり神の島」「日本文化の南漸」「沖縄女性史」「布哇物語」「南島史考」「沖縄歴史物語」のほか、「伊波普猷全集」(全11巻 平凡社)がまとめられている。48年伊波普猷賞が設けられた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報