伊藤 忠吉(2代目)(読み)イトウ チュウキチ

20世紀日本人名事典 「伊藤 忠吉(2代目)」の解説

伊藤 忠吉(2代目)
イトウ チュウキチ

大正・昭和期の杜氏 秋田銘醸社長。



生年
明治10(1877)年3月10日

没年
昭和28(1953)年11月19日

出身地
秋田県雄勝郡雄勝町

旧姓(旧名)
戸沢 隆三

経歴
明治34年24歳の時に銘酒・両関の本舗主人9代目伊藤仁右衛門の妹を娶って婿養子となり、2代目伊藤忠吉を名乗る。41年上京して醸造理論を学び、2年後に帰郷義兄の下で醸造責任者を務め、秋田の軟水に合った、低温でじっくりと発酵させる寒地醸造法を開発。大正2年同醸造法で造られた清酒が全国清酒品評会で優等賞を受賞するなど高い評価を得、灘の“男酒”に対して“女酒”と呼ばれる秋田酒を生み出した。11年秋田県内の造り酒屋が出資して銘酒・爛漫で知られる秋田銘醸が設立されると専務を務め、昭和14年社長に就任。寒地醸造法を東北一帯の酒造家に快く伝授し、今日の東北の銘酒隆盛の基礎を築いた。また秋田営林局と提携して秋田杉を清酒用の樽に用いて、その風味を高めたことでも知られる。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

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