休・息(読み)やすみ

精選版 日本国語大辞典の解説

やすみ【休・息】

〘名〙 (動詞「やすむ(休)」の連用形の名詞化)
① やすむこと。やすまり。休憩。休息。
※満佐須計装束抄(1184)一「そのよはひめ君のぼらず。やすみの日といふなり」
② 休む期間、時。休暇、休業、欠勤など。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「涼湯(ゆざめ)のせぬ間に今一編と、〈略〉休(ヤスミ)の翌(あした)を俟ごとく御懇望頻也」
③ 寝ること。就寝。
※破戒(1906)〈島崎藤村〉四「夜の休息(ヤスミ)を知らせる鐘が鳴り渡って」
④ 蚕が脱皮する前、しばらくの間、桑の葉を食べずに動作を静止すること。ねむり。みん。
⑤ 斎宮(さいぐう)の忌詞(いみことば)で、病気をいう。
※類聚国史‐五・賀茂斎院・天長八年(831)一二月八日・宣命「齢も老い、身の安(やすミ)も有に依て、令退出る代に」

やす・む【休・息】

(「安(やす)い」と同語源)
[1] 〘自マ五(四)〙
① 活動を中止して憩う。休息する。
※万葉(8C後)一五・三六四五「わぎもこは早も来ぬかと待つらむを沖に也須麻(ヤスマ)む家づかずして」
② 心身が安らかになる。
※堀河百首(1105‐06頃)恋「さりともとあひなはとこそ思ひしかいかにやすまぬ心成らん〈源師頼〉」
③ 動き、働きが止む。事が止んで静かになる。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「まかりありくこともやすまむ」
④ 休息するために横になる。臥す。寝る。ねむる。
※源氏(1001‐14頃)東屋「遅くも渡り給へば、皆うち解けてやすみ給そかし」
⑤ 病気がなおる。病が平癒する。
※霊異記(810‐824)下「久しき病を得るが故に、〈略〉咒護せ令むるに、猶愈差(ヤス)まず〈真福寺本訓釈 愈 夜須満須〉」
[2] 〘他マ五(四)〙 仕事などを、しばらくやめる。また、学校や勤め先、会合などを欠席する。欠勤する。
※俳諧・俳諧新選(1773)四「寒垢離を休む其日の寒さかな〈楮林〉」
[3] 〘他マ下二〙 ⇒やすめる(休)

やす・める【休・息】

〘他マ下一〙 やす・む 〘他マ下二〙
① 休息させる。やすませる。
書紀(720)雄略二年一〇月(前田本訓)「行夫(かりひと)を息(ヤスメ)て車馬を展(かそ)ふ」
② 安らかにする。おだやかにする。なだめて心を落ち着かせる。
※書紀(720)允恭七年一二月(図書寮本訓)「朕過(あやまち)たりとのたまひて因て皇后の意(みこころ)を慰喩(ヤスメこしら)へたまふ」
③ 一時活動を停止させる。
※源氏(1001‐14頃)葵「身の上の、いと苦しきを、しばしやすめ給へときこえむとてなむ」
④ 和歌・連歌などで、特に意味のない言葉をおいて、調子をととのえる。
※ささめごと(1463‐64頃)上「歌には曲を二所にいはじとて、おほく序の言葉・やすめたることばを置くもの也」
⑤ 殺す。
※番町皿屋敷(1916)〈岡本綺堂〉一「ええ、休(ヤス)めちまへ、休めちまへ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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