伯(漢字)

普及版 字通 「伯(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] ハク・ハ
[字訓] かしら・あに・おじ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は白(はく)。白は白骨化した頭顱(とうろ)の象形で、首長たちの首は白骨化して保存された。その人を伯という。〔説文〕八上に「長なり」、〔伝〕に「侯の長なり」とあって侯伯の義。卜辞に外方の君長を「虎方伯」のようにいう。金文の〔大盂鼎(だいうてい)〕に「司四白(伯)」「夷司王臣十三白(伯)」、また〔宜侯(ぎこうそくき)〕に「の七白(伯)、厥(そ)の鬲(れき)千五十夫を賜ふ」とあり、農耕の管理者を伯とよぶのは、外方伯のなごりであろう。周では兄弟の序列を、伯・仲・叔・季といった。金文の作器者の名に伯懋父(はくぼうほ)・白父(はくわほ)のようにいう例が多い。

[訓義]
1. かしら、おさ。
2. あに、長子、夫、おじ。
3. 馬祖、馬祭。
4. 陌(はく)に通じ、みち。

[古辞書の訓]
和名抄〕伯 辨色立に云ふ、阿伯なるは、の兄なり。睿乎遲(えをぢ) 〔名義抄〕伯エイヲヂ 〔字鏡集〕伯 サカシ・カク・カミ・ヲヂ・ニハカ・チカシ・ナガシ・オヤカタ

[語系]
伯・(覇)peakは同声。白beakは頭顱の形。雄偉の人の頭顱は、記念として保存される風があった。その人を伯という。卜文・金文には白を用いる。初文。獣屍がさらされて色を失い、白くなる意。月が死魄状態となることをという。のち伯に通じて用い、五覇のようにいう。

[熟語]
伯気伯雅伯舅伯兄・伯氏伯叔伯仲・伯都伯母伯姆・伯楽伯迹・伯図・伯道
[下接語]
医伯・火伯・河伯画伯鬼伯・侯伯・詩伯叔伯西伯・仟伯・仙伯・宗伯・風伯・方伯

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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