伸らか(読み)のびらか

精選版 日本国語大辞典 「伸らか」の意味・読み・例文・類語

のび‐らか【伸らか】

〘形動〙 (「らか」は接尾語)
① 長く伸びたさま。高く伸びたさま。
源氏(1001‐14頃)末摘花「鼻なりけり〈略〉あさましう高うのびらかに、先の方すこし垂りて」
② 心がゆったりとくつろいださま。また、おっとりと穏やかであるさま。
※源氏(1001‐14頃)初音「木の芽もうちけぶり、おのづから人の心ものびらかにぞ見ゆるかし」
③ ゆったりとひろがるさま。
廃園(1909)〈三木露風〉廃園・海鳥の歌「ひるがへす翼こそは暢(ノビ)らかなれ、波の上に、また岩かげに」
[補注]古くは「源氏」に三例使用されている以外、他の作品に用例が認められないところから、紫式部造語と考えることもできる。同義語に「のびやか」があるが、中世以後の用例しか見当たらない。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android