余儀無(読み)よぎない

精選版 日本国語大辞典 「余儀無」の意味・読み・例文・類語

よぎ‐な・い【余儀無】

〘形口〙 よぎな・し 〘形ク〙
① 他にとるべき方法がない。やむをえない。よんどころない。
※肥後満願寺文書‐天文一九年(1550)一二月八日・阿蘇惟豊判物「然者、自訴之儀承候。尤雖余儀当時無差闕所候」
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部「長州藩が京都より退却を余儀なくされたことを思へば」
② 全くその通りで、他に議論余地がない。その通りで異議がない。
曾我物語(南北朝頃)二「申上ところの辞儀、よぎなし。しかれども、忠の者をきりなば、天の照覧もいかが」
③ へだて心がない。他の事を考えない。
※浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)二「ヤア女房か。半兵衛殿。これ伯母様、扨々と、互に余儀なく見えければ」
よぎな‐げ
〘形動〙
よぎな‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android