作用スペクトル(読み)サヨウスペクトル

化学辞典 第2版 「作用スペクトル」の解説

作用スペクトル
サヨウスペクトル
action spectrum

一般には,光による物理的,化学的,生物的効果の程度を照射光の振動数に対して示したものである.物理化学関係では,光伝導蛍光に対して用いており,励起スペクトルというときもある.蛍光のように量子過程として観測される効果であれば,量子収量の振動数分布として表現できる.光伝導では試料の大きさや印加電圧に依存するので,吸収エネルギー当たりの電流利得の分布で示す.吸収スペクトルと深い関連があり,類似することが多いが,吸収端部に作用スペクトルピークを示す例なども少なくなく,一概にはいえない.光吸収後の電子過程に関する知見を与える.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「作用スペクトル」の意味・わかりやすい解説

作用スペクトル
さようすぺくとる

光合成などの光化学反応において、一定光エネルギーをもった単色光を与えて反応速度波長との関係を表すスペクトル。光合成では、このスペクトルから、クロロフィル以外の色素関与がわかる。

吉田精一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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