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使わす・遣わす つかわす

大辞林 第三版の解説

つかわす【使わす・遣わす】

( 動五[四] )
〔動詞「つかふ」の未然形に尊敬の助動詞「す」の付いた語〕
上位者が下位者を行動させる。また、物などを与える。本来、動作者に対する敬意を含んでいたが、次第に敬意が薄れていった。
上位者が下位者を使者として派遣する。 「聖徳太子が小野妹子を隋に-・す」 「仲麿を唐もろこしに物習はしに-・したりけるに/古今 羇旅左注
上位者が下位者を行かせる。 「この翁丸(=犬ノ名)打ち懲じて犬島へ-・せ/枕草子 9」 「その田を刈りて取れ、とて人を-・しけるに/徒然 209
上位者が下位者に物・歌・手紙などを与える。贈る。 「手前にも御祝儀をお-・し下さいまし」 「(帝ハカグヤ姫ノモトニ)木草につけても御歌をよみて-・す/竹取」 「御文にはいといみじき事を書き集め給ひて-・す/源氏 浮舟」 「色々の染物三十、…小袖に調ぜさせて後に-・されけり/徒然 216
聞き手に対する敬意を表す表現で、物・人を第三者に送る、あるいは第三者から物・人が送られることをいう時に、受け手を低めることによって聞き手を敬う。
話し手(の側の人)が第三者に物や人を与えたり送ったりする場合。やります。(人を)行かせます。 「まうで来て帰りにける後によみて花に挿して-・しける/古今 春下詞」 「かうかう今は、とてまかるを、何事もいささかなる事もえせで-・すこと/伊勢 16
第三者が話し手(の側の人)に物や人を与えたり送ったりする場合。よこします。 「おもしろき桜を折りて友たちの-・したりければ/後撰 春中詞」 「『さらば(オマエハ)行きて取りて来なんや』と言へば、『-・さばまかり候はん』と言ふ/宇治拾遺 12
(補助動詞) 動詞の連用形に助詞「て」(「で」)の付いた形に付いて、「…してやる」の意を表す。尊大な気持ちがこめられる。 「許して-・す」 「ほめて-・す」

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