精選版 日本国語大辞典 「例ば」の意味・読み・例文・類語
たとえ‐ば たとへ‥【例ば】
〘副〙 (下二段動詞「たとふ」の未然形「たとへ」に「ば」を伴ったもの)
① (多く、「ごとし」と呼応して) 物にたとえていえば。例をあげていえば。
③ 前の事柄を受けて、それをさらにくわしく述べたり、具体的な例を示したりするときに用いる。くわしくいえば。
※高野本平家(13C前)一「入道相国、一天四海をたなごころのうちににぎり給ひしあひだ、世のそしりをもはばからず、人の嘲をもかへり見ず、不思議の事をのみし給へり。たとへは、其比都に聞えたる白拍子の上手、祇王祇女とておとといあり」
④ 助詞「ば」を伴った条件句に先立って、順接の仮定条件を表わす。もし。仮に。
※大日経義釈延久承保点(1074)三「設(タトヘば)事相の中に〈略〉世間悉地を成さば、功唐捐ならじ」
⑤ 「とも」「ども」などを伴った条件句に先立って、逆説の仮定条件を表わす。仮に。たとい。よしんば。
たとわ‐ば たとは‥【例ば】
※浄瑠璃・箱根山合戦(1660)四「此いぬめいよのきすい有、たとはばしのびゆくに、かのいぬをさきへ入、あんないをしる事有」
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