修士(読み)シュウシ

デジタル大辞泉 「修士」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐し〔シウ‐〕【修士】

学位の一。大学院に2年から4年以内在学して所定単位を修得し、修士論文審査、最終試験に合格した者に与えられる称号マスター。→博士はくし1

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「修士」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐し シウ‥【修士】

〘名〙
操行の純潔な人。上士。〔荀子君道
② 学位の一つ新制大学の大学院の修士課程に二年以上在学して所定の単位を修得し、修士論文の審査および最終試験に合格した者に与えられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「修士」の意味・わかりやすい解説

修士
しゅうし

学位の一種。イギリス、アメリカではマスターMaster(M.A.; M.S.)、フランスではメトリーズMaîtrise。Ph.D.(博士号、Doctor of Philosophy)その他の専門職の博士よりは下位の中間学位。この学位は、中世パリ大学における教師ギルドへの入会資格である教授免許状マギスターMagisterに由来する。中世ボローニャ大学のドクターDoctorと同格とされ、Master、DoctorおよびプロフェッサーProfessorは、すべて同義語に用いられた。17世紀以後のイギリスをはじめ、初期アメリカでも学士取得後研究を3年続ければ自動的に授与される名誉学位となり、1858年にミシガン大学で1、2年の課程履修に対して授与される取得学位となった。日本では、大学院の標準修業年限2年の修士課程、または標準修業年限5年の博士課程の前期2年の課程修了者に修士の学位が授与される。なお、専門職大学院修了者に授与される専門職学位にも修士(専門職)という名称が用いられている。

[金子忠史・江原武一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

大学事典 「修士」の解説

修士
しゅうし

修士(マスター)は,学士と博士(ドクター)の間に位置するが,中世大学ではドクターとマスターは同義語であり,教師を意味した。いつのころからか法学・医学・神学の下位にあたる教養学部でマスターが使われるようになったが,大学院の学位としてマスターが定着するのは20世紀のアメリカ合衆国であった。大学院教育がカレッジ教育から分離し,バチェラー(学士)とドクターの違いが明確になるに伴い,マスターの位置づけも固まっていった。日本では,第2次世界大戦前に修士はなく,戦後アメリカの制度を参考に導入された。戦前形骸化していた大学院を,スクーリングを行う教育組織へと変えるために修士課程(日本)が置かれたのである。さらに1955年(昭和30)の大学院基準の改正で修士課程が高度な職業教育を行うところとされ,60年代に工学系での修士課程が大きく拡大したが,人文・社会科学系では修士号は実質的には大学教員資格として機能した。だが1980年代後半からの大学院拡大で人文・社会科学系の修士も増え,また2003年(平成15)の専門職大学院制度(日本)創設により修士(専門職)も始まり,高度専門職業人のための学位としての修士の役割が拡大しつつある。
著者: 阿曽沼明裕

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

普及版 字通 「修士」の読み・字形・画数・意味

【修士】しゆう(しう)し

操行を修める人。〔韓非子、孤憤〕人臣の官を得んと欲するは、其の修士は且(まさ)にを以て身を固めんとし、其の智士は且に治辯を以て業をめんとす。

字通「修」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「修士」の意味・わかりやすい解説

修士【しゅうし】

大学院に2年以上在学して所定の単位を修得し,その大学院の行う修士論文の審査と試験に合格した者に授与される学位。新制大学制度のなかで,米国のマスターの学位にならって導入された。細目は学位規則(1953年)に規定。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「修士」の意味・わかりやすい解説

修士 (しゅうし)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の修士の言及

【学位】より

…専門的な学問を修得したこと,あるいは学術上の創造的業績をあげたことを証明するために,大学または国家が与える称号。日本では学士,修士,博士(はくし)の三つがある。
[沿革]
 博士をはじめとする学位制度の起源は中世ヨーロッパの大学にある。…

※「修士」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android