精選版 日本国語大辞典 「偶・適」の意味・読み・例文・類語
たま‐さか【偶・適】
〘名〙 (形動)
① 思いがけないさま。偶然であるさま。
※万葉(8C後)一一・二三九六「玉坂(たまさかに)吾が見し人を如何にあらむ縁(よし)をもちてかまた一目見む」
② まれであるさま。その場合とか機会が数少ないさま。
※落窪(10C後)四「よき帯などたまさかにありけるなども、皆大将殿に奉り給ふ」
③ めったにないさま。あまり期待できないが、ひょっとしてそうなるさま。多く、「に」「にも」を伴って副詞的に用いられる。
※竹取(9C末‐10C初)「若し天竺(てんぢく)にたまさかにもて渡りなば」
たま【偶・適】
〘名〙 (形動) めったにないこと。まれであること。また、そのさま。
※御伽草子・六代(室町時代物語大成所収)(室町末)上「たまにこととふものとては、みねにこづたふむらざるの」
※門(1910)〈夏目漱石〉四「思ひ掛けない程稀(タマ)な客なので」
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