傷付・疵付(読み)きずつく

精選版 日本国語大辞典 「傷付・疵付」の意味・読み・例文・類語

きず‐つ・く【傷付・疵付】

[1] 〘自カ五(四)〙
① きずができる。けがをする。そこなわれる。
※御巫本日本紀私記(1428)神代上「触戸小瑕〈止爾豆支布礼氐須己之支須津介(キズツケ)利〉」
② (比喩的に用いて) 人の気持名声信用などがそこなわれる。
源氏(1001‐14頃)蛍「同じくは、人のきずつくばかりの事、なくてもやみにしがなと、いかがおぼさざらん」
肉体悪魔(1946)〈田村泰次郎〉「お互ひに傷かずに愛を完成することが」
[2] 〘他カ下二〙 ⇒きずつける(傷付)

きず‐つ・ける【傷付・疵付】

〘他カ下一〙 きずつ・く 〘他カ下二〙
① 人の体、器物などにきずをつける。そこなう。けがをさせる。
史記抄(1477)一三「亭長の傷嬰と告た者は是非にわざときずつけたと云」
② (比喩的に用いて) 人の気持、名声、信用などを害する。
小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下「読者興味をきづつけ」
シェイクスピア(1952)〈吉田健一〉オセロ「彼は、ただこの信用を傷つける為に」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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