元素発見史(年表)(読み)げんそはっけんしねんぴょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

元素発見史(年表)
げんそはっけんしねんぴょう

発見者の特定できない元素


〔元素記号〕C 〔元素名〕炭素(英:carbon) 〔命名者・命名の由来〕ラテン語で「木炭」を意味するcarboに由来。フランス語で「炭」を意味するcharbonが転じたという説もある
〔元素記号〕S 〔元素名〕硫黄(英:sulfur) 〔命名者・命名の由来〕古代サンスクリット語で「火の元」を意味するsulvereを語源とするラテン語のsulphuriumに由来

古代の七金属


古代〔元素記号〕Au 〔元素名〕金(英:gold) 〔命名者・命名の由来〕古代サンスクリット語で「輝く」を意味するghelに由来。Auはラテン語で「金」を意味するaurumに由来
古代〔元素記号〕Ag 〔元素名〕銀(英:silver) 〔命名者・命名の由来〕ラテン語で「精錬する」を意味するarpuに由来。Agはラテン語で「銀」を意味するargentumに由来
古代〔元素記号〕Cu 〔元素名〕銅(英:copper) 〔命名者・命名の由来〕Cuは、Cuprus「キプロス」(地中海の島の名で、古代には主要な銅鉱山があった)を語源とするラテン語cuprum(銅)に由来。copperはcuprumが変化したもの
古代〔元素記号〕Fe 〔元素名〕鉄(英:iron) 〔命名者・命名の由来〕ギリシア語で「(青銅に対比して)強い」を意味するierosに由来。Feはラテン語で「鉄」を意味するferrumに由来
古代〔元素記号〕Sn 〔元素名〕スズ(英:tin, ドイツ:Zinn) 〔命名者・命名の由来〕Snは4世紀以降ラテン語で「スズ」を意味するようになったstannumに由来(当初は銀と鉛との合金を意味していた)
古代〔元素記号〕Pb 〔元素名〕鉛(英:lead) 〔命名者・命名の由来〕leadはアングロ・サクソンの古いことばで、語源は不明。Pbはラテン語で「鉛」を意味するplumbumに由来
古代〔元素記号〕Hg 〔元素名〕水銀(英:mercury) 〔命名者・命名の由来〕Hgは、ギリシア語で水を意味するhydrと銀を意味するargyrosからつくられたラテン語hydrargyrumに由来。英語名については、水銀が水星を意味するmercuryに関係するものとして命名されたという説や、この金属が動きやすいことから、ローマ神話の神々の使者マーキュリーMarcury(メルクリウスMercurius)に由来するという説がある

中世の発見


中世〔元素記号〕Zn 〔元素名〕亜鉛(英:zinc) 〔命名者・命名の由来〕ドイツ語で「尖った先端」を意味するzinkenに由来(亜鉛は溶鉱炉中の底に沈むときの形が尖頭状である)
中世〔元素記号〕As 〔元素名〕ヒ素(英:arsenic) 〔命名者・命名の由来〕ギリシア語で「雄黄」を意味するarsenikonに由来
中世〔元素記号〕Bi 〔元素名〕ビスマス(英:bismuth) 〔命名者・命名の由来〕1530年アグリコラはbisemutumと記した。語源は不明
中世〔元素記号〕Sb 〔元素名〕アンチモン(英:antimony) 〔命名者・命名の由来〕Sbはアンチモンの鉱石である輝安鉱のラテン語名stibiumに由来。輝安鉱はほかの鉱物に伴って産することが多く、anti(反対)+monos(孤独)からantimoniumとよばれたという説と、僧侶の治療薬に金属製剤が用いられたことからanti+monachon(僧侶)に由来するという説がある

主として分析化学的手法により発見


1669〔元素記号〕P 〔元素名〕リン(英:phosphorus) 〔発見の契機〕尿 〔発見者〕H・ブラント(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕暗所で光ることから、ギリシア語で「光を運ぶもの」という意味のphosphorosにちなみ命名。phosは光、phorosは運ぶものの意
1735〔元素記号〕Co 〔元素名〕コバルト(英:cobalt) 〔発見の契機〕輝コバルト鉱物CoAsS 〔発見者〕G・ブラント(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕ドイツ語で「鉱山の仕事をじゃまする山の精」を意味するKoboldに由来
1748〔元素記号〕Pt 〔元素名〕白金(英:platinum) 〔発見の契機〕白銀鉱(南米より) 〔発見者〕D・A・デ・ウロア(スペイン) 〔命名者・命名の由来〕スペイン語の銀plataの愛称語platinaに由来。ウロアが1748年に出版した著書中に、当時スペイン人の間で、銀に似た白色の金属が「Platina del Pinto(ピント川の小さな銀)」とよばれていたことが記載されている(白金についての最初の記録)
1751〔元素記号〕Ni 〔元素名〕ニッケル(英:nickel) 〔発見の契機〕紅砒ニッケル鉱NiAs 〔発見者〕A・F・クローンステッド(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕紅砒ニッケル鉱のスウェーデン語kopparnickelに由来。kopparnickelのkopperは銅、nickelは悪魔の意。銅鉱に色が似ているのに銅を含まないのは、山の精霊ニックのいたずらと解して、この名がつけられた
1766〔元素記号〕H 〔元素名〕水素(英:hydrogen) 〔発見の契機〕酸と金属の反応発生気体について確認 〔発見者〕H・キャベンディッシュ(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕ギリシア語で「水」を意味するhydroと、「つくる」を意味するgennaoに由来。A・L・ラボアジエが水素を元素として正しく認識し、hydrogneと命名(1783)
1772〔元素記号〕N 〔元素名〕窒素(英:nitrogen, フランス:azote) 〔発見の契機〕空気(窒素そのものはH・キャベンディッシュが早く発見したが、その研究結果を公表せず) 〔発見者〕D・ラザフォード(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕フランス語名は、ラボアジエがこの元素が生命を維持する力がないことから、「否定」を意味するaと「生命を保持する」を意味するzotikosをあわせて命名(1789)。azoteのドイツ語訳がstickstoff(息が詰まる物質)で、その日本語訳が窒素。英語名は、J・A・シャプタルが、硝石を意味するラテン語nitrumと生じるを意味するギリシア語gennaoからnitrogneと提案(1790)したことに由来
1774〔元素記号〕O 〔元素名〕酸素(英:oxygen) 〔発見の契機〕酸化水銀HgOを加熱、1775年3月公表。事実上の発見者はK・W・シェーレ(スウェーデン)、硝石の分解(1771ころ) 〔発見者〕J・プリーストリー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕ラボアジエが、この気体中での燃焼生成物の多くが酸の性質を示すことから、ギリシア語で「酸味のある」を意味するoxysと「生じる」を意味するgennaoをあわせてoxygneと命名(1777)したことに由来
1774〔元素記号〕Mn 〔元素名〕マンガン(英:manganese, ドイツ:Mangan) 〔発見の契機〕軟マンガン鉱MnO2を濃硫酸、硝酸で熱する 〔発見者〕K・W・シェーレ(18世紀後半に推論)(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕ガーン(スウェーデン)が元素を単離してmanganesiumと名づけたが(1774)、その後発見されたマグネシウムとの混同を避けるため短縮された。古代ローマ時代、ガラスに加えて青緑色を消すため軟マンガン鉱を利用しており、これに関連したギリシア語のmanganizo(浄化)、manganon(魔法)が語源という説もある
1774〔元素記号〕Cl 〔元素名〕塩素(英:chlorine) 〔発見の契機〕軟マンガン鉱を塩酸処理 〔発見者〕K・W・シェーレ(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕この気体が黄緑色であることから、H・デービー(イギリス)が、ギリシア語で「黄緑色」を意味するchlorosにちなんで命名(1810)
1778〔元素記号〕Mo 〔元素名〕モリブデン(英:molybdenum) 〔発見の契機〕輝水鉛鉱MoS2を水素で還元 〔発見者〕K・W・シェーレ(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕1782年初めて単離したP・J・イェルム(スウェーデン)が発見物資molybdos(鉛)から命名
1783〔元素記号〕W 〔元素名〕タングステン(英:tungsten, ドイツ:Wolfram) 〔発見の契機〕灰重石CaWO4 〔発見者〕エルイヤール兄弟(単離に成功)(スペイン) 〔命名者・命名の由来〕英語名はスウェーデン語で「重い石」を意味するtungstenに由来し、A・F・クローンステッドが鉱石名として命名(1755)。元素記号のWはドイツ語のWolframにちなむ。Wolframは「オオカミ」を意味するWolfと「うまい汁を吸う」を意味するrahmに由来。この鉱石が錫石の還元を妨害するので、ヒツジを食うオオカミのように嫌ったことによる。元素名はJ・J・ベルツェリウスが命名(1783)
1783〔元素記号〕Te 〔元素名〕テルル(英:tellurium) 〔発見の契機〕テルル蒼鉛鉱Bi2Te2S 〔発見者〕F・J・ミュラー(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕M・H・クラプロートがラテン語で「地球」を意味するtellusにちなんで命名(1798)
1789〔元素記号〕U 〔元素名〕ウラン(英:uranium, ドイツ:Uran) 〔発見の契機〕ピッチブレンド(ウラン鉱の結晶質でないもの)(U,Th)O2 〔発見者〕M・H・クラプロート(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕1781年、イギリスのF・W・ハーシェルが発見した天王星Uranusにちなんで命名
1789〔元素記号〕Zr 〔元素名〕ジルコニウム(英:zirconium) 〔発見の契機〕ジルコンZrSiO4 〔発見者〕M・H・クラプロート(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕発見物質のジルコンはしばしば黄色を発することから、アラビア語で「黄金色」を意味するzarqunにちなんで命名
1789〔元素記号〕Ti 〔元素名〕チタン(英:titanium, ドイツ:Titan) 〔発見の契機〕チタン鉄鉱FeTiO3 〔発見者〕W・グレーガー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕発見者は地名にちなんでmenachinと命名。M・H・クラプロートが新元素を確認し、ギリシア神話の巨人Titanにちなんでtitaniumと命名。1797年に同一のものと証明し、チタニウムの名が残ることとなった
1794〔元素記号〕Y 〔元素名〕イットリウム(英:yttrium) 〔発見の契機〕ガドリン石(イットリウム鉱石、テクトケイ酸塩鉱物)FeY2(Si2Be2)O8 〔発見者〕J・ガドリン(フィンランド) 〔命名者・命名の由来〕ガドリン石が発見された場所であるスウェーデンのストックホルム郊外の町イッテルビーYtterbyに由来。1794年ガドリンは発見鉱石から新元素の酸化物を取り出しイッテルビアと命名したが、1843年C・G・モサンデル(スウェーデン)が、これから3種類の元素を分離し、その一つをイットリウムという名称にした(他の二つはエルビウムとテルビウム)
1797〔元素記号〕Be 〔元素名〕ベリリウム(英:beryllium) 〔発見の契機〕緑柱石(シクロケイ酸塩鉱物) 〔発見者〕N・L・ボークラン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕発見鉱物はberylとよばれた。緑柱石beryllus、町の名Velurに由来。ドイツのF・ウェーラーが命名(1828)
1797〔元素記号〕Cr 〔元素名〕クロム(英:chromium, ドイツ:Chrom) 〔発見の契機〕紅鉛鉱(鉛のクロム酸塩鉱物)Pb(CrO4) 〔発見者〕N・L・ボークラン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕クロムの化合物には鮮やかな色を示すものが多いことから、ギリシア語で「色」を意味するchromaにちなんで命名。命名者はフランスのA・F・デ・フールクロアとR・J・アウイ(命名年は不明)

主として電気分析により発見


1801〔元素記号〕Nb 〔元素名〕ニオブ(英:niobium, ドイツ:Niob) 〔発見の契機〕コルンブ石(鉄、マンガン、ニオブ、タンタルの酸化鉱物)(Fe,Mn)(Nb,Ta)2O6 〔発見者〕C・ハチェット(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕この元素がつねにタンタルを伴うので、ギリシア神話のタンタロスの娘ニオベにちなんで、H・ローゼ(ドイツ)がNiobと命名(1844)
1802〔元素記号〕Ta 〔元素名〕タンタル(英:tantalum) 〔発見の契機〕タンタル石(鉄、マンガン、タンタル、ニオブの酸化鉱物)(Fe,Mn)(Ta,Nb)2O6 〔発見者〕A・G・エーケベリ(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕反応が複雑で確認に苦労し、その酸化物が酸に侵されず飢渇状態にあることから、神に罰せられ、水や食事をとろうとしてもとれず飢渇に苦しんだというギリシア神話のタンタロスにちなみ命名
1803〔元素記号〕Pd 〔元素名〕パラジウム(英:palladium) 〔発見の契機〕白金鉱(粗白金) 〔発見者〕W・H・ウォラストン(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕ドイツのH・W・M・オルバースが1802年に発見した小惑星パラスPallas(アテネの女神)にちなんで命名
1803〔元素記号〕Ce 〔元素名〕セリウム(英:cerium) 〔発見の契機〕セル石(セリウム、イットリウムのネソケイ酸塩鉱物)(Ce,Y,Pr,Ca)4Si3012・H2O 〔発見者〕J・J・ベルツェリウス(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕1801年イタリアのG・ピアッツィにより発見された小惑星(準惑星)ケレスCeres(ローマ神話の農業の女神)にちなむ。金属セリウムはC・G・モサンデルが初めて単離(1823)
1804〔元素記号〕Rh 〔元素名〕ロジウム(英:rhodium) 〔発見の契機〕白金鉱(粗白金) 〔発見者〕W・H・ウォラストン(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕ロジウムの塩は多くがバラ色をしていることから、ギリシア語で「バラ色」を意味するrodeosにちなんで命名
1804〔元素記号〕Os 〔元素名〕オスミウム(英:osmium) 〔発見の契機〕白金鉱(粗白金) 〔発見者〕S・テナント(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕酸化物は強い臭いをもつことから、ギリシア語で「臭気」を意味するosmeにちなんで命名
1804〔元素記号〕Ir 〔元素名〕イリジウム(英:iridium) 〔発見の契機〕白金鉱(粗白金) 〔発見者〕S・テナント(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕塩の溶液の彩色が多様なことから、ギリシア神話の虹の女神イリスIrisにちなんで命名
1807〔元素記号〕K 〔元素名〕カリウム(英:potassium, ドイツ:Kalium) 〔発見の契機〕水酸化カリウムKOH 〔発見者〕H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕Potassiumは、鍋potで灰ashを煮詰めることで炭酸カリウムpotashが得られたことに由来。Kaliumは、アラビア語で「植物の灰」を意味するkaljan、またはヘブライ語で「軽い」を意味するkalに由来
1807〔元素記号〕Na 〔元素名〕ナトリウム(英:sodium, ドイツ:Natrium) 〔発見の契機〕水酸化ナトリウム(カ性ソーダ)NaOH 〔発見者〕H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕鉱物性アルカリを意味するラテン語nitrum, solidaに由来。炭酸ナトリウムの古名natrom, sodaにちなんで命名
1808〔元素記号〕Ba 〔元素名〕バリウム(英:barium) 〔発見の契機〕重晶石(Baの硫酸塩鉱物)BaSO4 〔発見者〕H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕発見鉱石が通常塩類の鉱石の2倍ぐらい重いことから、「重い」を意味するbaryte, narys、「重さ」を意味するbarosにちなんで命名
1808〔元素記号〕Sr 〔元素名〕ストロンチウム(英:strontium) 〔発見の契機〕ストロンチアン石(Srの炭酸塩鉱物) 〔発見者〕H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕発見鉱物にちなんで命名(1808)。鉱石は1787年、スコットランドのストロンチアンStrontianの鉛鉱山で発見されstrontianiteとよばれていた
1808〔元素記号〕Ca 〔元素名〕カルシウム(英:calcium) 〔発見の契機〕塩化カルシウムCaCl2 〔発見者〕H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕ラテン語で「石灰」を意味するcalxにちなんで命名
1808〔元素記号〕Mg 〔元素名〕マグネシウム(英:magnesium) 〔発見の契機〕酸化マグネシウム(苦土)MgO 〔発見者〕H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕発見鉱物にちなむ。MgOはmagnesia alba(白いマグネシア)、マグネシア(ギリシアの地名)産の石の意
1808〔元素記号〕B 〔元素名〕ホウ素(英:boron) 〔発見の契機〕三酸化二ホウ素B2O3ホウ酸H3BO3 〔発見者〕ゲイ・リュサック、L・J・テナール(ともにフランス)、H・デービー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕性質がよく似ている炭素carbonにちなむ。ホウ酸は当時boracic acidとよばれたので、当初、デービーはboraciumを提案したが、boronに変更された
1811〔元素記号〕I 〔元素名〕ヨウ素(英:iodine) 〔発見の契機〕海藻灰 〔発見者〕B・クールトア(フランス) 〔命名者・命名の由来〕ゲイ・リュサックが、蒸気が紫色であることから、ギリシア語で「すみれ色」を意味するiodesにちなんで命名
1817〔元素記号〕Li 〔元素名〕リチウム(英:lithium) 〔発見の契機〕ペタル石(リチウムとアルミニウムのテクトケイ酸塩鉱物)LiSi4AlO10 〔発見者〕J・A・アルフェドソン(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕アルフェドソンの指導者ベルツェリウスが、鉱石からみいだされたことから、ギリシア語で「石」を意味するlithosにちなんで命名
1817〔元素記号〕Cd 〔元素名〕カドミウム(英:cadmium) 〔発見の契機〕粗亜鉛華 〔発見者〕F・シュトロマイヤー(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕発見鉱物である亜鉛華のギリシア語名kadmeiaにちなんで命名
1817〔元素記号〕Se 〔元素名〕セレン(英:selenium) 〔発見の契機〕鉛室泥 〔発見者〕J・J・ベルツェリウス(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕ギリシア語で「月」を意味するseleneに由来。すでに発見されており、性質がよく似ているテルル(ラテン語で地球の意味)との対応により命名。燃えるとき月光に似た青白い炎をあげることからつけられたという説もある
1823〔元素記号〕Si 〔元素名〕ケイ素(英:silicon, ドイツ:silicium) 〔発見の契機〕フッ化ケイ素SiF4の還元 〔発見者〕J・J・ベルツェリウス(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕ラテン語で「火打石」を意味するsilicにちなみ命名。「ケイ砂」を意味するsilexに基づいているという説もある
1824〔元素記号〕Br 〔元素名〕臭素(英:bromine) 〔発見の契機〕海水(食塩製造母液) 〔発見者〕A・J・バラール(フランス) 〔命名者・命名の由来〕フランスアカデミーのL・J・テナールらはその臭いから、ギリシア語で「悪臭」を意味するbromosにちなんで命名(1826)
1827〔元素記号〕Al 〔元素名〕アルミニウム(英:aluminium) 〔発見の契機〕塩化アルミニウムAlCl3 〔発見者〕F・ウェーラー(単離に成功)(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕ラテン語で「天然産のアルミニウムを含む硫酸塩(ミョウバン)」を意味するalumenに由来。L・B・ギトン・ドゥ・モルボ(フランス)は、1782年ミョウバンalumen中の塩基性物質をaluminaと命名。1807年、H・デービーはこの金属をalumiumと命名、のちaluminiumとすることに同意
1828〔元素記号〕Th 〔元素名〕トリウム(英:thorium) 〔発見の契機〕トール石(Thのケイ酸塩鉱物)ThSiO4 〔発見者〕J・J・ベルツェリウス(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕トール石の産地であるスカンジナビアの雷神Thorにちなんで命名(1828)
1830〔元素記号〕V 〔元素名〕バナジウム(英:vanadium) 〔発見の契機〕褐鉛鉱(バナジン酸塩鉱物)Pb5(VO4)3Cl 〔発見者〕N・G・セフストレーム(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕セフストレームとベルツェリウスが、スカンジナビアの愛と美の女神バナディスVanadisにちなんで命名(1830)
1839〔元素記号〕La 〔元素名〕ランタン(英:lanthanum, ドイツ:Lanthan) 〔発見の契機〕セリア(セリウム酸化物の意) 〔発見者〕C・G・モサンデル(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕ベルツェリウスが、この元素がセリア中に隠れていたことから、ギリシア語で「隠れている」を意味するlanthaneinにちなんで命名
1843〔元素記号〕Er 〔元素名〕エルビウム(英:erbium) 〔発見の契機〕ガドリン石(エルビア) 〔発見者〕C・G・モサンデル(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕ガドリン石が発見された場所であるスウェーデンのイッテルビーytterbyが由来。当初、発見鉱石から新元素の酸化物が取り出され、イッテルビアと命名された。イッテルビアは、1843年イットリウム、テルビウム、エルビウムの三つの元素に分けられ、さらに1879年にエルビウムからホルミウム、ツリウムが分離され、現在のエルビウムが確立
1843〔元素記号〕Tb 〔元素名〕テルビウム(英:terbium) 〔発見の契機〕ガドリン石(テルビア) 〔発見者〕C・G・モサンデル(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕エルビウムに同じ
1844〔元素記号〕Ru 〔元素名〕ルテニウム(英:ruthenium) 〔発見の契機〕イリドスミン(ごく少量Ruを含むマグマ鉱物) 〔発見者〕K・K・クラウス(C・F・クラウスとも)(ロシア) 〔命名者・命名の由来〕小ロシアの古い国名Rutheniaにちなむ。1828年にロシアの化学者G・W・オサンらが命名

主として分光化学的手法により発見


1860〔元素記号〕Cs 〔元素名〕セシウム(英:caesium) 〔発見の契機〕鉱泉水蒸発残渣 〔発見者〕R・W・ブンゼン、G・R・キルヒホッフ(ともにドイツ) 〔命名者・命名の由来〕分光分析で2本のスペクトルの色が青であることから、ラテン語で「青色」を意味するcaesiusにちなみ命名
1861〔元素記号〕Rb 〔元素名〕ルビジウム(英:rubidium) 〔発見の契機〕紅雲母(カリウム、リチウム、アルミニウム、鉄、フッ素のフィロケイ酸塩鉱物。鱗雲母ともいう) 〔発見者〕R・W・ブンゼン、G・R・キルヒホッフ(ともにドイツ) 〔命名者・命名の由来〕分光分析で2本のスペクトルの色が赤であることから、ラテン語で「暗赤色」を意味するrubidusにちなみブンゼンが命名
1861〔元素記号〕Tl 〔元素名〕タリウム(英:thallium) 〔発見の契機〕鉛室硫酸泥 〔発見者〕C・A・ラミー(フランス)、W・クルックス(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕分光分析でスペクトルの色が緑であることから、ラテン語で「緑色の若葉」を意味するthallusにちなみクルックスが命名
1863〔元素記号〕In 〔元素名〕インジウム(英:indium) 〔発見の契機〕閃亜鉛鉱(亜鉛の硫化鉱物、不純物に各種の元素を含む) 〔発見者〕F・ライヒ、H・T・リヒター(ともにドイツ) 〔命名者・命名の由来〕分光分析でスペクトルの色が藍であることから、ラテン語で「青藍色」を意味するindicumにちなみ命名
1875〔元素記号〕Ga 〔元素名〕ガリウム(英:gallium) 〔発見の契機〕閃亜鉛鉱 〔発見者〕P・E・L・デ・ボアボードラン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕発見者の母国フランスの古名Galliaにちなんで命名
1878〔元素記号〕Yb 〔元素名〕イッテルビウム(英:ytterbium) 〔発見の契機〕ガドリン石(イッテルビア) 〔発見者〕J・C・G・デ・マリニャック(スイス) 〔命名者・命名の由来〕最初に発見されたスウェーデンのストックホルム郊外の町イッテルビーYtterbyにちなんで命名
1879〔元素記号〕Ho 〔元素名〕ホルミウム(英:holmium) 〔発見の契機〕イットリウム土類(旧エルビウム) 〔発見者〕P・T・クレーベ(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕発見者の故郷ストックホルムの古称Holmiaにちなんで命名
1879〔元素記号〕Tm 〔元素名〕ツリウム(英:thulium) 〔発見の契機〕イットリウム土類(旧エルビウム) 〔発見者〕P・T・クレーベ(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕スカンジナビアの古名で「極北の地」を意味するThuleにちなんで命名
1879〔元素記号〕Sc 〔元素名〕スカンジウム(英:scandium) 〔発見の契機〕ガドリン石 〔発見者〕L・F・ニルソン(スウェーデン) 〔命名者・命名の由来〕南部スカンジナビア半島の古名であるScandiaにちなんで命名
1879〔元素記号〕Sm 〔元素名〕サマリウム(英:samarium) 〔発見の契機〕サマルスキー石(希土類元素、カルシウム、鉄、ウランなど各種の元素を含む) 〔発見者〕P・E・L・デ・ボアボードラン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕鉱物の発見者であるロシアのサマルスキー・ビホベッツにちなんで命名
1880〔元素記号〕Gd 〔元素名〕ガドリニウム(英:gadolinium) 〔発見の契機〕ガドリン石 〔発見者〕J・C・G・デ・マリニャック(スイス) 〔命名者・命名の由来〕ガドリン石の発見者ガドリンにちなんで命名
1885〔元素記号〕Pr 〔元素名〕プラセオジム(英:praseodymium) 〔発見の契機〕ジジム(ランタンから分離したもの) 〔発見者〕C・A・ウェルスバハ(オーストリア) 〔命名者・命名の由来〕ウェルスバハがそれまで一つの元素と考えられていたジジムdidymiumからプラセオジムとネオジムを分別。プラセオジムから分離した酸化物が緑色であることから、ギリシア語で「ニラの緑」を意味するprasiosと「双子」を意味するdidymosを合成して命名
1885〔元素記号〕Nd 〔元素名〕ネオジム(英:neodymium) 〔発見の契機〕ジジム 〔発見者〕C・A・ウェルスバハ(オーストリア) 〔命名者・命名の由来〕ウェルスバハがそれまで一つの元素と考えられていたジジムdidymiumからプラセオジムとネオジムを分別。ギリシア語で「新しい」を意味するneosと「双子」を意味するdidymosを合成して命名
1886〔元素記号〕Ge 〔元素名〕ゲルマニウム(英:germanium) 〔発見の契機〕アージロド鉱(銀、ゲルマニウムの硫化物)Ag8GeS6 〔発見者〕C・A・ウィンクラー(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕発見者の母国であるドイツのラテン名ゲルマニアGermaniaにちなんで命名
1886〔元素記号〕F 〔元素名〕フッ素(英:fluorine) 〔発見の契機〕蛍石(カルシウムのフッ化鉱物) 〔発見者〕H・モアッサン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕発見鉱物が中世より鉱石の融剤に用いられていたことから、ラテン語の「溶けやすい、流れる」を意味するfluereにちなんで命名
1886〔元素記号〕Dy 〔元素名〕ジスプロシウム(英:dysprosium) 〔発見の契機〕ホルミウム化合物 〔発見者〕P・E・L・デ・ボアボードラン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕ホルミウムとの分離が困難だったことから、ギリシア語で「到達しがたい」を意味するdysprositosにちなんで命名
1894〔元素記号〕Ar 〔元素名〕アルゴン(英:argon) 〔発見の契機〕空気中の窒素から分離 〔発見者〕L・レイリー、W・ラムゼー(ともにイギリス) 〔命名者・命名の由来〕他の元素と容易に結合しないことから、ギリシア語で「不活性」を意味するargosあるいは「働かない」という意味のan ergonにちなんで命名
1894〔元素記号〕He 〔元素名〕ヘリウム(英:helium) 〔発見の契機〕クレーブ石(ウラン鉱の一種) 〔発見者〕W・ラムゼー(イギリス) 〔命名者・命名の由来〕ヘリウム自体は、P・J・C・ジャンサン(フランス)がインドでの日食時(1868)に太陽スペクトルの分析により発見、J・N・ロッキャー(イギリス)らが、ギリシア語で「太陽」を意味するheliosにちなんで命名
1898〔元素記号〕Kr 〔元素名〕クリプトン(英:krypton) 〔発見の契機〕液体空気の分留 〔発見者〕W・ラムゼー、M・トラバーズ(ともにイギリス) 〔命名者・命名の由来〕長く発見されなかったことから、ギリシア語で「隠れたもの」を意味するkryptosにちなんで命名
1898〔元素記号〕Ne 〔元素名〕ネオン(英:neon) 〔発見の契機〕液体空気の分留 〔発見者〕W・ラムゼー、M・トラバーズ(ともにイギリス) 〔命名者・命名の由来〕新しい気体元素の意から、ギリシア語で「新しい」を意味するneosにちなんで命名
1898〔元素記号〕Xe 〔元素名〕キセノン(英:xenon) 〔発見の契機〕液体空気の分留 〔発見者〕W・ラムゼー、M・トラバーズ(ともにイギリス) 〔命名者・命名の由来〕液体空気の分留においてもっとも揮発しにくい部分よりみいだされたことから、ギリシア語で「珍しい、よそもの、見慣れぬ」を意味するxenosにちなみ命名

主としてX線分析的手法により発見


1898〔元素記号〕Po 〔元素名〕ポロニウム(英:polonium) 〔発見の契機〕ピッチブレンド 〔発見者〕キュリー夫妻(フランス) 〔命名者・命名の由来〕キュリー夫人の生国ポーランドPoloniaにちなんで命名
1898〔元素記号〕Ra 〔元素名〕ラジウム(英:radium) 〔発見の契機〕ピッチブレンド 〔発見者〕キュリー夫妻(フランス) 〔命名者・命名の由来〕エネルギーを放射する能力をもつことから、ラテン語で「放射線」を意味するradiusにちなんで命名
1899〔元素記号〕Ac 〔元素名〕アクチニウム(英:actinium) 〔発見の契機〕ピッチブレンド 〔発見者〕A・ドビエルヌ(フランス) 〔命名者・命名の由来〕ギリシア語で「光線、放射線」を意味するaktisにちなんで命名
1900〔元素記号〕Rn 〔元素名〕ラドン(英:radon) 〔発見の契機〕ラジウムから発生したガス 〔発見者〕F・E・ドルン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕ラジウムから放出される元素であることから、命名。はじめはradium emanationとよばれた。emanationは「流れ出る」を意味するemanatusが語源
1901〔元素記号〕Eu 〔元素名〕ユウロピウム(英:europium) 〔発見の契機〕サマリウムの酸化物から分割 〔発見者〕E・ドマルセー(フランス) 〔命名者・命名の由来〕ヨーロッパ大陸を記念しての命名という説があるが、発見者はなにも記述していない(1896年発見説もある)
1907〔元素記号〕Lu 〔元素名〕ルテチウム(英:lutetium) 〔発見の契機〕イッテルビア(イットリウムの酸化物) 〔発見者〕G・ユルバン(フランス) 〔命名者・命名の由来〕パリの古名ルテチアLutetiaにちなんで命名。C・A・ウェルスバハはカシオペイウムと命名したがのちに統一された
1918〔元素記号〕Pa 〔元素名〕プロトアクチニウム(英:protactinium) 〔発見の契機〕ピッチブレンド 〔発見者〕O・ハーン(ドイツ)、L・マイトナー(オーストリア) 〔命名者・命名の由来〕α粒子を失うとアクチニウムになることから、アクチニウムの前ということで「第一の性質」を意味するproteiosにちなんで命名
1923〔元素記号〕Hf 〔元素名〕ハフニウム(英:hafnium) 〔発見の契機〕ジルコン 〔発見者〕D・コスター(オランダ)、G・ヘベシー(ハンガリー) 〔命名者・命名の由来〕発見時、2人はコペンハーゲンにいたことから、コペンハーゲンのラテン名Hafniaにちなんで命名
1925〔元素記号〕Re 〔元素名〕レニウム(英:rhenium) 〔発見の契機〕白金鉱、硫化鉱などの鉱石の組織的研究 〔発見者〕ノダック夫妻(ドイツ) 〔命名者・命名の由来〕ノダック夫人(イーダ・タッケ)の実家のそばを流れるライン(Rhein)川にちなんで命名

主として人工合成によるもの


1937〔元素記号〕Tc 〔元素名〕テクネチウム(英:technetium) 〔発見の契機〕モリブデンに中性子照射 〔発見者〕E・セグレ(アメリカ)、C・ペリエ(イタリア) 〔命名者・命名の由来〕人工的に初めて製造された元素であることから、ギリシア語で「人工」を意味するtechnikosにちなんでセグレが命名
1939〔元素記号〕Fr 〔元素名〕フランシウム(英:francium) 〔発見の契機〕アクチニウム227のα崩壊により生成 〔発見者〕M・ペレイ(フランス) 〔命名者・命名の由来〕発見者の生国フランスにちなんで命名
1940〔元素記号〕Np 〔元素名〕ネプツニウム(英:neptunium) 〔発見の契機〕ウラン238に中性子を照射し生成 〔発見者〕E・M・マクミラン、P・H・エーベルソン(ともにアメリカ) 〔命名者・命名の由来〕周期表でウランに続くことから、ウラノス(天王星、Uranus)の外側を回る惑星の海王星ネプチューン(Neptune)にちなみマクミランが命名
1940〔元素記号〕At 〔元素名〕アスタチン(英:astatine) 〔発見の契機〕ビスマス209にα線を照射し生成 〔発見者〕D・R・マッケンジー、D・R・コーソン、E・セグレ(以上アメリカ) 〔命名者・命名の由来〕その寿命が短いことから、ギリシア語で「不安定」を意味するastanosにちなんで、セグレが命名(1947)
1940〔元素記号〕Pu 〔元素名〕プルトニウム(英:plutonium) 〔発見の契機〕ウラン238に重水素原子核を衝突させ生成 〔発見者〕G・T・シーボーグ、E・M・マクミラン、J・W・ケネディ、A・C・ウォール(以上アメリカ) 〔命名者・命名の由来〕ウラン、ネプツニウムがそれぞれ天王星、海王星から命名されたのに倣い、冥王星(Pluto、1930年発見)にちなんで命名。plutoniumの名称は、100年以上前にE・D・クラーク(イギリス)がバリウムに対して与えたことがある
1944〔元素記号〕Am 〔元素名〕アメリシウム(英:americium) 〔発見の契機〕原子炉中でプルトニウム239に中性子照射し生成 〔発見者〕G・T・シーボーグ、R・A・ジェームズ、L・O・モーガン(以上アメリカ) 〔命名者・命名の由来〕アクチノイドの7番目に位置することから、ランタノイドの7番目であるユウロピウムとの対比で発見者の国であるアメリカ大陸にちなんで命名
1944〔元素記号〕Cm 〔元素名〕キュリウム(英:curium) 〔発見の契機〕プルトニウム239にα線を照射し生成 〔発見者〕G・T・シーボーグ、R・A・ジェームズ(ともにアメリカ) 〔命名者・命名の由来〕ラジウムの発見で名高いキュリー夫妻にちなんでシーボーグが命名
1947〔元素記号〕Pm 〔元素名〕プロメチウム(英:promethium) 〔発見の契機〕ウランの核分裂生成物質からイオン交換樹脂で分離 〔発見者〕J・A・マリンスキー、L・E・グレンデニン、C・D・コライエル(以上アメリカ) 〔命名者・命名の由来〕第二の火といわれるウランの核分裂生成物中に発見されたことから、ギリシア神話の火の神プロメテウスPrometheusにちなんで命名(1949)。コライエルの示唆による。1926年にアメリカのB・S・ホプキンス、イタリアのL・ローラらによって発見が報告され、前者はイリノイ州にちなみイリニウム、後者はフィレンツェにちなみフロレンチウムの名称が提示されたが確認できなかった
1950〔元素記号〕Bk 〔元素名〕バークリウム(英:berkelium) 〔発見の契機〕アメリシウム241にヘリウムイオンを衝突させ生成 〔発見者〕S・G・トムソン、G・T・シーボーグ、A・ギオーソ(以上アメリカ) 〔命名の由来〕この元素が生成されたカリフォルニア大学の所在地バークリーにちなんで命名
1950〔元素記号〕Cf 〔元素名〕カリホルニウム(英:californium) 〔発見の契機〕キュリウム242にヘリウムイオンを衝突させ生成 〔発見者〕S・G・トムソン、G・T・シーボーグ、A・ギオーソら(以上アメリカ) 〔命名の由来〕研究の行われたカリフォルニア大学およびカリフォルニア州にちなんで命名
1952〔元素記号〕Es 〔元素名〕アインスタイニウム(英:einsteinium) 〔発見の契機〕水素爆弾爆発で得た破片を陽イオン交換樹脂で分離 〔発見者〕カリフォルニア大学(アメリカ) 〔命名の由来〕国際原子エネルギー会議で、科学者A・アインシュタインにちなんで命名(1955)
1953〔元素記号〕Fm 〔元素名〕フェルミウム(英:fermium) 〔発見の契機〕水素爆弾爆発の生成物をイオン交換樹脂で分離 〔発見者〕カリフォルニア大学(アメリカ) 〔命名の由来〕国際原子エネルギー会議で、原子力エネルギー開発に貢献した物理学者のE・フェルミ(イタリア)にちなんで命名(1955)
1955〔元素記号〕Md 〔元素名〕メンデレビウム(英:mendelevium) 〔発見の契機〕アインスタイニウム253にヘリウムイオンを衝突させ生成 〔発見者〕A・ギオーソ、B・G・ハーベイ、G・R・チョピン、G・T・シーボーグ(以上アメリカ) 〔命名の由来〕101番の元素となるところから、周期律・周期表の提出者であるD・I・メンデレーエフ(ロシア)にちなんで命名
1957〔元素記号〕No 〔元素名〕ノーベリウム(英:nobelium) 〔発見の契機〕キュリウム244に炭素13のイオンを衝突させ生成(1957、その後別のチームの追試では確認に成功していない)、キュリウム244および246の混合物に炭素12のイオンを衝突させ生成(1958) 〔発見者〕ノーベル物理研究所(スウェーデン)、カリフォルニア大学(アメリカ) 〔命名の由来〕国際純正・応用化学連合(IUPAC)が、最初に実験が行われたノーベル研究所およびノーベル賞創設者のノーベルにちなんで命名
1961〔元素記号〕Lr 〔元素名〕ローレンシウム(英:lawrencium) 〔発見の契機〕カリホルニウムの混合物に、重イオン線形加速器で加速したホウ素10(または11)のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕カリフォルニア大学ローレンス放射科学研究所(アメリカ) 〔命名の由来〕サイクロトロンの発明者であるE・O・ローレンス(アメリカ)にちなんで命名
1964〔元素記号〕Rf 〔元素名〕ラザホージウム(英:rutherfordium) 〔発見の契機〕プルトニウム242にネオン22のイオンを衝突させ生成(1964、その後別のチームの追試では確認に成功していない)、カリホルニウム249に炭素12および13のイオンを衝突させ生成(1969) 〔発見者〕G・N・フレーロフら(旧ソ連)、A・ギオーソら(アメリカ) 〔命名の由来〕原子の放射性変換などの研究で知られるイギリスの物理学者、E・ラザフォードにちなんで命名
1970〔元素記号〕Db 〔元素名〕ドブニウム(英:dubnium) 〔発見の契機〕カリホルニウム249に窒素15のイオンを衝突させ生成(アメリカ)。アメリシウム263にネオン22のイオンを衝突させ生成(ソ連)。 〔発見者〕A・ギオーソら(アメリカ)、G・N・フレーロフら(旧ソ連) 〔命名の由来〕ソ連(当時)のドゥブナ研究所の所在地ドゥブナDubnaにちなんで命名
1974〔元素記号〕Sg 〔元素名〕シーボーギウム(英:seaborgium) 〔発見の契機〕カリホルニウム249に酸素18のイオンを衝突させ生成(アメリカ)、鉛208にクロム52のイオンを衝突させ生成(ソ連) 〔発見者〕A・ギオーソら(アメリカ)、G・N・フレーロフら(旧ソ連) 〔命名の由来〕多くの超ウラン元素を発見したアメリカの化学者、G・T・シーボーグにちなんで命名
1981〔元素記号〕Bh 〔元素名〕ボーリウム(英:bohrium) 〔発見の契機〕ビスマス209にクロム54のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕G・ミュンツェンベルクら(ドイツ) 〔命名の由来〕原子模型で知られる量子力学の開拓者N・H・D・ボーア(デンマーク)にちなんで命名
1982〔元素記号〕Mt 〔元素名〕マイトネリウム(英:meitnerium) 〔発見の契機〕ビスマス209に鉄58のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕G・ミュンツェンベルクら(ドイツ) 〔命名の由来〕核分裂の発見と解釈に功績のあったオーストリア生まれのスウェーデンの女性物理学者L・マイトナーにちなんで命名
1984〔元素記号〕Hs 〔元素名〕ハッシウム(英:hassium) 〔発見の契機〕鉛208に鉄58のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕G・ミュンツェンベルクら(ドイツ) 〔命名の由来〕この元素が発見されたダルムシュタット重イオン研究所(ドイツ)のあるヘッセン州の古名Hassiaにちなんで命名
1994〔元素記号〕Ds 〔元素名〕ダームスタチウム(英:darmstadtium) 〔発見の契機〕鉛208にニッケル62のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕S・ホフマンら(ドイツ) 〔命名の由来〕この元素が発見されたダルムシュタット重イオン研究所およびこの研究所のあるダルムシュタットDarmstadt(ドイツ中部の都市)の名にちなんで命名
1994〔元素記号〕Rg 〔元素名〕レントゲニウム(英:roentgenium) 〔発見の契機〕ビスマス209にニッケル64のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕S・ホフマンら(ドイツ) 〔命名の由来〕X線の発見者であるドイツの物理学者W・K・レントゲンの名にちなんで命名
1996〔元素記号〕Cn 〔元素名〕コペルニシウム(英:copernicium) 〔発見の契機〕重イオン加速器中で鉛208に亜鉛70のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕S・ホフマンら(ドイツ) 〔命名の由来〕ポーランドの天文学者で地動説を唱えたコペルニクスにちなんで命名
1998〔元素記号〕Fl 〔元素名〕フレロビウム(英:flerovium) 〔発見の契機〕プルトニウム244にカルシウム48のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕ドゥブナ研究所内のフレロフ核反応研究所(ロシア) 〔命名の由来〕フレロフ核反応研究所の伝統と名誉にちなんで命名
2000〔元素記号〕Lv 〔元素名〕リバモリウム(英:livermorium) 〔発見の契機〕キュリウム248にカルシウム48のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕ローレンス・リバモア国立研究所(アメリカ)とドゥブナ研究所(ロシア)の共同チーム 〔命名の由来〕ローレンス・リバモア国立研究所の所在地であるカリフォルニア州リバモア市にちなんで命名
2002〔元素記号〕Og 〔元素名〕オガネソン(英:oganesson) 〔発見の契機〕カリホルニウム249にカルシウム48のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕ドゥブナ研究所(ロシア)とローレンス・リバモア国立研究所(アメリカ)の共同チーム 〔命名の由来〕ドゥブナ研究所での核合成研究を主導したロシアの核物理学者ユーリ・オガネシアンにちなんで命名
2003〔元素記号〕Mc 〔元素名〕モスコビウム(英:moscovium) 〔発見の契機〕アメリシウム243にカルシウム48のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕ドゥブナ研究所(ロシア)、ローレンス・リバモア国立研究所(アメリカ)、オークリッジ国立研究所(アメリカ)の共同チーム 〔命名の由来〕ドゥブナ研究所の所在地であるモスクワ州にちなんで命名
2004〔元素記号〕Nh 〔元素名〕ニホニウム(英:nihonium) 〔発見の契機〕ビスマス209に亜鉛70のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕理化学研究所森田浩介研究グループ 〔命名の由来〕日本国名にちなんで命名
2009元素記号〕Ts 〔元素名〕テネシン(英:tennessine) 〔発見の契機〕バークリウム249にカルシウム48のイオンを衝突させ生成 〔発見者〕ドゥブナ研究所(ロシア)、ローレンス・リバモア国立研究所(アメリカ)、オークリッジ国立研究所(アメリカ)の共同チーム 〔命名の由来〕オークリッジ国立研究所の所在地であるテネシー州にちなんで命名

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